「この道を。力強く、前へ」のその先は!
2016年 06月 26日
右に安倍首相の大きな顔と、真ん中に「この道を。力強く、前へ」の大きなスローガンが目を引く。
そして説明は「この3年半、経済最優先で取り組んできました。」から始まり、アベノミクスの成果を上げ、まだ道半ば、であるとして支持を呼び掛けている。
どこが経済最優先なのか。
公約に正面から挙げないまま、国民の多くが反対する特定秘密保護法、戦争法を最優先して強行採決したのは誰なのか。
過去2回と同様、経済中心の広報である。
そして左には数字が羅列されているのだが、またしても「数字のインチキ」である。
企業収益が上がり、国民総所得が上がったのは、「大企業のための優遇政策」をしてきたから当然である。
大企業は空前の内部留保を上げている。
海外収益も加算される国民総所得は上がるだろう。
しかしそれは労働者には回ってこない。
有効求人率高水準、若者の就職率過去最高、就業者数増加、給与賃上げ…。
こう並べれば、アベノミクスの効果が労働者にも出てきた、と思うかもしれない。
しかし、求人率の増加は少子化による。
しかも重要なのは、求人率はあくまで経営側が求人している「率」であり、労働者の実際の就職とは
必ずしも結びつかない。
そこで自民党広報は、就職率については「若者」を出す。
アベノミクスの影響でもなんでもない。
若者の就職率が最高なのも少子化の影響である。
また就業者数増加は、非正規労働者が増えたからである。
ここでは「数」である。
「率」と「数」を巧みに使い分けていることにも注意しなければならない。
そして、無論、実質賃金は下がっている…。
いや、そもそも労働者の皆さん、
アベノミクスのおかげで潤ったと思っている人いますか!?
…そうかアベノミクスはまだ「道半ば」か。
それで今は潤っていないが、もうひと押しで、企業の空前の大収益が労働者に回ってくるのだな、などと思ってはいけません。
秋には、残業代ゼロ制度や解雇金銭解決法など「労働法」の大改悪が待っています。
過去2回の安倍首相の公約とその後何をしたかをぜひ思い出してください。
【6月27日追記】
本日NHKのニュースウォッチ9を見ていると、アベノミクスについて、インタビューをしている。
一つは、好景気の会社とその従業員。無論、アベノミクスを評価している。
もう一つは、商店の店主。売り上げが伸びないと述べる。
そして司会陣が「アベノミクスが効果が上がっているが行き渡っていない」「道半ば」とまとめる。
いつもあきれるのであるが、こういう評価は安倍自民党と全く同じである。
NHKは安倍政権に乗っ取られたと批判されて久しいが、明らかに一方的に偏った放送法違反だろう。
こんな報道が当たり前のように、毎日、垂れ流されていることがこわい。
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