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by kazuo_okawa

憲法記念日の日経社説に驚く!

日経新聞は事務所に届けて貰っているため、5月3日当日は読めなかったのだが、後日、その社説を読んで驚く。

見出しが「憲法と現実のずれ埋める「改正」を」というものだが、明らかに安倍首相が最近述べていることに迎合した表現であり、あきれかえる。
そのもそも、「戦争法」に見られるとおり、憲法と現実のずれを生じさせたのは、安倍首相その人であり、みずから、ずれを生じさせていながら、そのずれを正すというのではなくて憲法を変えようと言うのであるから、論外である。
そこには憲法を守るという精神が何処にもない。

日経社説は更に、2005年最高裁判決が、在外邦人の国政選挙に参加出来ない公選法を違憲としたことをのべ、これは、「憲法の空白」の穴埋めしたのだから、広い意味での「憲法改正」と呼んでもよいかもしれない、と述べる。
暴論である。

何故ならこの在外邦人選挙権判決はむしろ、現憲法の精神を生かしたものであり、現行憲法の理念のもと解釈を深化させたに過ぎない。
こんなことは「改正」とは呼ばない。

にもかかわらずこんな暴論を述べるのは、明らかに、既に我が国では実際に「憲法改正」はしているんですよ、と述べて、「憲法改正」に慣れさせようという意図的なものを感ずる。

日経社説は引き続き、押しつけ憲法論、緊急事態条項論に触れた後、「9条論争は卒業したい」と結論付ける。
何のことはない。
結局、解釈改憲を温存しようと言うのであるから、立憲主義違反の現状を見て見ぬままにしようということである。

「日本株式会社」の社内報と呼ばれて久しい日経であるが、この社説はあまりにも「社内報」過ぎるだろう。



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by kazuo_okawa | 2016-05-06 22:53 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)