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by kazuo_okawa

多湖輝「頭の体操」の偉業!

多湖氏が亡くなられたという。
パズルファンにとって多湖氏の名は欠かせないだろう。
1966年12月にカッパブックスから「頭の体操」を発行するとまたたく間にベストセラーになった。

その著そのものは、当時中学生であった私が読んでも、パズル自体は、マニアにとってはそう珍しいものではなかった。
現に、多湖氏は巻末にサムロイドのパズル著など6冊の参考文献をあげているのであるが、私は当時この6冊はすでに読んでいたからである。

無論、これらのパズル著は一般には読まれていなかったから、名作などを集めたこの「頭の体操」は受けたのであろうが、無論、ベストセラーになるにはそれだけが理由ではない。

多湖氏は、「常識を捨てよ」「過去の経験を捨てよ」などある種の発想法を創造的思考法と名付け、パズルにその意義を打ち立てたのである。
ここが凄い。
単なる遊びのように取られがちなパズルに積極的な意味づけをしたところに多湖氏の凄さがある。

当時、このシリーズが待ち遠しかった記憶があったのだが、今、本棚の奥から引っ張りだしてみると、何と1967年11月までに4冊出ている。
そして第5集の発行が、1977年年8月と大きく間が開いている。

人の記憶とは不確かなものであると思いつつ、思わず「頭の体操」に読みいってしまった。

【追記】
この「頭の体操」シリーズは約30集出ているが、第5集以降が、読者からの反応をうまく取り込み(つまり元のパズルをヴァージョンアップさせる、あるいは変化させる)その後、定期的に発行するシリーズ化の決め手となっている。
見事なものである。
【2021年2月追記】
本文に書いた通りパズルに意義付けしたのが多胡氏の業績であるが、もう一つ、パズルの問題の程度を大衆的にしたことも大きい。手ごろな度合いのパズルというのは実はかなり難しい。
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by kazuo_okawa | 2016-03-16 23:45 | パズル・統計・数学 | Trackback | Comments(0)