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by kazuo_okawa

新国立競技場と集団的自衛権!

法学部学生向けの月刊誌「法学セミナー」2月号を手に取ると、特集記事の一つに「新国立競技場・集団的自衛権問題を考える」というシンポジウムが載っている。

新国立競技場と集団的自衛権、一見、何の関係もありませんよね。
それだけにテーマを見ただけで、謎に満ちあふれている。
そして人は「謎」に引きつけられる。

実はこれは、気鋭の憲法学者木村草太氏の仕掛けたシンポジウムと知り、興味を引きつけるその凄技に驚いた。
さすが、木村草太氏である。

詳しくは、法学セミナーでお読み頂きたいのであるが、要するに、政策論と技術論の混在を批判したものであり、その「混在」という点では両者は同じだという分けである。

集団的自衛権では、そもそも日本はこの国際情勢の鑑みて集団的自衛権を行使すべきかどうかという問題がある。これは「政策論」である。
しかし、憲法という枠がある限り、憲法を変えずして集団的自衛権は行使できない(技術論。法的は立憲主義ゆえに出来ないのであるが、新国立競技場との対比のために、技術的に出来ない、とわかりやすく表現する)。
しかしこの立憲主義批判に対し、安倍首相は、この国際情勢の中で国民の命を守ると、論点をずらして答弁していた。
つまり、政策論と技術論を混在させたわけである。

一方、新国立競技場はどうか。
ザハ氏のあの形がよいのかどうかは政策論である。
次に、そもそも限られた予算の中で出来るのかどうかという問題がある。
これは技術論である。
新国立競技場問題は大きく報道されたが実は政策論と技術論が混在されていた。
だから 新国立競技場と集団的自衛権は同じというわけである。

この意外な組み合わせ!

さすが、木村草太氏と、心から感心した次第である。
by kazuo_okawa | 2016-02-06 22:41 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)