「ミケランジェロ・プロジェクト」が受け入れられる意味
2015年 12月 17日
内容は、第2次世界大戦末期、戦火の激しさが日に日に増していくヨーロッパ戦線において、ナチスに強奪された美術品の数々を奪還すべく、ルーズベルト大統領の命を受けて立ち上がった者たちが、ミケランジェロの名作をはじめとする人類の遺産ともいうべき美術品の数々を守れるかという物語であり、実話を元にしているという。
クルーニー主演のため、オーシャンズ・シリーズを思わせる。
実際、エンターテインメント性も取り入れている。
しかしテーマ自体は重い。
人命を失い危険を冒してまで、美術品を守り抜く必要があるのかと言うことである。
実際、このプロジェクトでは2名死亡している(実話である)。
美術品を守り抜くという使命がなければ落とさなくて良かった命である。
映画は、人命の危険を冒してまで美術品を守り抜く価値を歌い上げる。
ここで思い出すのが、IS(イスラム国)である。
ISが、いわゆる文化遺産を破壊していることは、多く報じられている。
この映画は、まるで、文化遺産を守るために立ち上がれ!というメッセージにもとれる。
私は、それが、文化遺産であろうと何であろうと「何かの為に命を落とす」ことが尊ばれる世の中ではあってはならないと思っている。
それこそが、憲法9条の「非戦」の思想である。
9条の価値観を守りたい、と私は思う。
ジョージ・クルーニーは魅力的な役者だが、「ミケランジェロ・プロジェクト」は反面教師として評価されるべきだろう。