またぞろ出てきた「金銭解決制度」
2015年 11月 02日
裁判で不当解雇とされた場合、会社が労働者に金銭を払えば退職させられる制度で、経済界や安倍政権の宿願である。
無論、労働組合側は反対している。
経済界が進める理屈は次の通りである。
裁判で不当解雇と認められても、現状では企業が復帰を拒み、お金を払って解決せざるを得ないケースは多いことから、金銭解決をルール化すれば紛争も解決しやすく、労働者にも企業にもプラスという。
これが政権や経済界の主張である。
何が「労働者にもプラス」なんですか!
経済界の理屈は明らかにおかしい。
何故なら、裁判で不当解雇と認められても、現状では企業が復帰を拒み、お金を払って解決せざるを得ないケースを当然の前提としているが、司法の判断を尊重しない(復職させない)企業の態度がおかしいのであり、そういう視点が全くない。
裁判で不当解雇と認められながら、企業が復帰を拒んで、新たな紛争を生んでいるのは企業の方である。
仮に、復職を拒んで金銭解決するなら、復職相当額(中間利息を控除するなど色々控除の理屈はあるが基本は定年までの賃金)だろう。
その金銭支払いを安上がりにして、不当解雇でも、金銭で解雇しようとするのが「金銭解決制度」である。
こういう制度を許せば労働者の地位は不安定極まりない。
こんな制度は決して許してはならない。