広瀬隆「東京が壊滅する日~フクシマと日本の運命」
2015年 09月 11日
広瀬氏といえば、反原発の立場から「東京に原発を」「ジョン・ウエィンはなぜ死んだか」など数々の名著を発刊されてきた。
2011年フクシマ原発被害のあと、本来なら反原発の旗手である広瀬氏こそ色々と登場してしかるべきであった。
しかし実際は、テレビを始め大手マスコミは広瀬氏を使わなかった。
それは、政府に取って都合の悪い真実を、広瀬氏があまりにも正しく言い当ててきたからだろう。
彼の凄さは、2011年フクシマ原発被害の生ずる前に、地震や火山の噴火の頻発から大地震を予言していたことだ。
本書は、彼のこれまでの著をまとめたものとも言える。
怖いのは「ジョン・ウエィンはなぜ死んだか」でも書かれたが、西部劇のハリウッドスターがいずれも癌で死亡しているという事実である。
ゲイリー・クーパー、ロバート・テイラー、エドワード・ロビンソン、ジョン・フォード、ジョン・ウエィン、スティーヴ・マックィーン、ヘンリー・フォンダなど何十人もの俳優が癌で死亡している。
それはアメリカがネバダ州で核実験を行い、その隣のユタ州で、ハリウッドスターは西部劇の撮影をしたからである。
重要なのは、核実験は1953年、ハリウッドスターのユタ州における映画ロケは1954年でこのときは核実験は行われていないという。
にもかかわらず、30年後までに,ハリウッドスターは癌で死亡しているという。
本書の凄いのはそのネバダ、ユタ、アリゾナの3州の地図を同じ縮尺で日本地図と並べていることだ。
そして、東京を含む現在の東日本全域が、このネバダ、ユタ、アリゾナとほとんど同じ条件下であることが示される。
とすれば、東日本全域にすむ人はハリウッドスターと同じ運命をたどることになる。
フクシマの救済もままならないこの国で、川内原発再稼働などあり得ない話である。
本書を強くお薦めしたい。