佐藤幸治「世界史の中の日本国憲法」
2015年 08月 03日
帯のキャッチフレーズにあるとおり、
「それは押しつけでなく、復活だった」というのが良い。
とかく自民党は、現行憲法をアメリカの「押しつけ」という。
しかし、現行憲法の示す内容(精神)は戦後初めて出来上がったのではない。
むしろ、歴史的に人類が格闘して成立した立憲主義を表している。
「大正デモクラシー」が進み、明治天皇下のときですら、その「統帥権」に枠をはめようとしていた。
しかし、そのような「立憲主義」は軍国主義と共につぶされる。
しかし戦後日本は人権尊重をうたったポツダム宣言を受け入れ、平和的共存を目指す世界の舞台に戻ったのである。
そうであれば、現憲法は再び立憲主義が復活したわけである。
東大における講義録であり、読みやすい。
安倍首相の、憲法無視のクーデターが進む中、広くお薦めしたい。