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by kazuo_okawa

佐藤幸治「世界史の中の日本国憲法」

左右社から発行された表題の佐藤教授の新著を読む。

帯のキャッチフレーズにあるとおり、
「それは押しつけでなく、復活だった」というのが良い。

とかく自民党は、現行憲法をアメリカの「押しつけ」という。
しかし、現行憲法の示す内容(精神)は戦後初めて出来上がったのではない。
むしろ、歴史的に人類が格闘して成立した立憲主義を表している。
「大正デモクラシー」が進み、明治天皇下のときですら、その「統帥権」に枠をはめようとしていた。

しかし、そのような「立憲主義」は軍国主義と共につぶされる。
しかし戦後日本は人権尊重をうたったポツダム宣言を受け入れ、平和的共存を目指す世界の舞台に戻ったのである。

そうであれば、現憲法は再び立憲主義が復活したわけである。

東大における講義録であり、読みやすい。
安倍首相の、憲法無視のクーデターが進む中、広くお薦めしたい。
by kazuo_okawa | 2015-08-03 21:30 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)