勇者同士の戦い
2015年 06月 02日
王者羽生棋聖に挑むは、若手のホープ豊島七段。
私は豊島を応援している。
その豊島の戦型選択が良い。
大方の予想を覆して「矢倉」である。
「将棋の純文学」であり、「矢倉を制するものは棋界を制する」ともいわれる戦型である。
王者羽生を相手のその姿勢が良い。
しかも最近は後手持ちといわれる矢倉を、先手番で選択したことがなおさら興味深い。
無論、羽生は受けて立つ。
豊島の研究手順に、百戦錬磨の羽生は50手目、飛車先を伸ばす85歩。
予想外の一手に、豊島は1時間52分考える。
羽生の、豊島陣への攻めは厳しい。
羽生が69銀と豊島の自陣の78金に掛けたときに、先手番としては、とうてい生きた心地はしない。
しかし、その銀を無視して、何と豊島は74桂と羽生の飛車に当てる勝負手を放つ!
いやあ、見ていて気持ちいい。
一転して豊島の攻撃。
しかし、豊島の飛頭にうつ、羽生の27歩が凄い。
終局まで形勢の分からないまま結局羽生が制した。
さすが羽生と、言わざるをえない。
続く第2局。
先手番は羽生。
戦型は、今回の豊島の手番を持って「矢倉」か、豊島の得意戦型「横歩取り」のどちらかだろう。
先手羽生76歩。
後手豊島84歩。ここまでは間違いないだろう。
次の、羽生の一手が今から楽しみである。