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by kazuo_okawa

求刑の1.5倍判決は甚だしく不当との最高裁判決

報道によれば、検察側の求刑の1.5倍に当たる裁判員裁判の判決の是非が争われた1歳児虐待死(傷害致死)事件の上告審判決で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は7月24日、裁判員裁判について、「裁判員裁判の役割として、これまでの傾向を変える量刑が直ちに否定されるものではない」としつつ、「他の裁判結果との公平性が保たれた適正なものでなければならず、過去の量刑傾向を共通認識として評議を深めることが求められる」「そうした量刑判断をする場合は、従来の量刑傾向を前提とすべきでない事情が具体的、説得的に示されるべきだ」と指摘し1審・大阪地裁判決(2012年3月)を「求刑を大幅に超える具体的、説得的根拠が示されているとは言い難く、甚だしく不当」とした、という。

重い一審判決・二審判決を正した、というその限りでは、妥当であろう。

25日付け朝日新聞には、求刑越えの判決をした一審の裁判員の一人の発言を紹介している。その裁判員は大学の臨床心理で児童虐待を学び、「親にしかすがれない子どものことを考えると、殺人罪よりも重い」と発言したという。

しかし起訴罪名はあくまで、「傷害致死」であり、「殺人」ではない。
殺人罪よりも重く裁くというのでは明らかに行き過ぎであろう。

とはいえ、これはその裁判員がどうこうというよりも「制度」の問題だろう。
そもそも私は、裁判員に量刑判断をさせるのは、負担が大きすぎると思っている。
しばし感情的になり、重罰化する危険がある。
或いは大学の臨床心理で児童虐待を学んだような人がいるかいないかで、結論が変わってくるのもおかしいだろう。

「事実認定」は、普通の市民にもなしうる判断であるが、「量刑判断」は、ある意味で法律解釈に近く、こちらはむしろ職業裁判官に委ねるべきである。

裁判員裁判の対象事件は増やし、そして量刑判断はプロに委ねる。

私はそのように改正すべきでないかと考えている。
(拙著「裁判員制度の本義」(一葉社発行)を参照されたい。)

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by kazuo_okawa | 2014-07-27 00:51 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)