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by kazuo_okawa

「実験」なら何でも許されるのか~米フェイスブックの実験

7月4日付け日経新聞朝刊のコラム「春秋」に、
米フェイスブックが謝罪に追い込まれたという大変興味深い記事が紹介されていた。

それは69万人の会員を対象に、彼らの頁に表示される友人の投稿の一部を勝手に握りつぶしたという実験である。一部グループには暗い内容を削り、明るい話題を目立たせると、その会員自身の発言も前向きになり、別のグループには暗い話題ばかり読まされると、後ろ向きになったという。

その実験結果が科学専門誌に発表され、利用者がそれを見つけて批判が集まったという。

登録時に、利用者が「同意」した規約にこうした利用法が盛り込まれている、というのが会社側の言い分だったが、結局は、会社は謝罪に追い込まれた。

そりゃあそうですよね。
幾ら規約があろうとこんなことまで想定してませんよね。
要するに、幾ら「科学専門誌」に発表する学問的実験だからといって、勝手にこういう実験をすることは許されない、ということである。

この記事は、大阪駅前顔認証実験を進めようとしている「映像センサー使用大規模実証実験検討委員会」というところの議論を想起させる。

同委員会は、「学問の自由」の名の下に、実験しようとしているようだが、同意無くして他人の人権は侵害しえない。
米フェイスブック社実験はそれを明らかにしている。

また、大阪駅前顔認証実験において、かつて「顔認証実験中」と表示しておけばよい、という議論もあったようだが、そこを通らざるをえない(利用せざるを得ない)ものにとって、表示をみて、カメラの前を通ったからといってそれは「真の同意」ではない。
米フェイスブック社実験はこのことも明らかにしている。
by kazuo_okawa | 2014-07-10 22:06 | 情報・プライバシー | Trackback | Comments(0)