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by kazuo_okawa
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「学問」の為に何でも出来るのか~大阪駅前顔認証実験に改めて反対する!

多くの人の反対の声の前に大阪駅前顔認証実験は一旦停止された。
しかし、完全に辞めたわけではない。

この実験は単なる防犯カメラとは違う。
顔認証し、それを追跡実験するのというのであるから
誰が考えたって、写されるものにとっては気持ち悪い話であり、プライバシーの侵害であり、承諾無くして出来るものではとうていないだろう。
多くの抗議の前に、中断したのは正しい。

しかし今、それが「映像センサー使用大規模実証実験検討委員会」というところに検討を委ねられ、その結論にゆだねられようとしている。
しかし、そこでの議論は、最初に結論ありきのように思える。

映像センサー使用大規模実証実験検討委員会は
その議論の内容を公開している。

以下、議事録の要点を引用して、その問題点を批判する。

【主な議事録の内容は以下の通りである】
4月28日には
(石井委員)憲法13 条については、問題にはならない。肖像権とプライバシー権は別の権利なので、分けて考えるべきである。肖像権の関係でいえば、みだりに取得(撮影)していると言えるかどうかが鍵になる。みだりに取得したと評価されると、違法性阻却の観点や、社会生活上の受忍限度の観点から評価することになる。
(菊池委員長)一般的な防犯カメラの場合はどうか。
(石井委員)防犯カメラの場合は、適法と考えられており、民間の設置の場合も同様な傾
向である。今回の実験では、防犯カメラとは目的が異なるので、同じ扱いにはならない。
6月3日には
釜が崎監視カメラ判決に対して
(鈴木委員)この判例は見ておきたい。
(鈴木委員)今回の場合は、「学問の自由」と「プライバシー保護」が対立軸になる。また、この観点での判例はない。

(鈴木委員)学問の自由を事由とする場合は、研究の目的というだけでなく、主体の要件
も重要である。商業目的の民間の研究機関まで広げず形式的に縛る方が良いと思われる。主体の要件の確認が必要である。
(石井委員)憲法上の学問の自由は研究発表の自由までで、今回の第三者への提供までは
学問の自由に含まれないのではないか。

(小林委員)商店街の防犯カメラの合法性を基礎づける法律は存在しないし、過去の裁判
例に照らせば、違法となってしまう。それでも防犯カメラは撤去されないのは、誰も違法と主張して裁判を起こしていないから、言い換えれば、今裁判を起こせば適法とする判決がでると思われているからであろう。

【これらの議論から伺える問題点】

以上の、公開された映像センサー使用大規模実証実験検討委員会の4月、6月の議事録を見れば、取得(つまり顔認証実験の為の録画撮影)について「学問の自由」や「受忍限度」など理屈を使って議論し、結論は、取得(撮影)について自由、その利用に規制をかけるという結論を考えているように見える。

議事録の中で、驚くべきは、新しく出てきた「学問の自由」という考え方である。
しかし「学問の自由」の名のもとに、取得(撮影)を自由とする考え方自体が誤りである。

そもそも「学問の自由」とは、その真理の探究のために権力が都合良くねじ曲げてはいけないというものである。
つまり、「学問の自由」とは権力からの弾圧をさせないためのものであり、
他人の自由を侵害してまで、好きに「学問」出来るというものではない。
「監視」という権力の力の行使を助ける為に「学問の自由」があるという委員会の考え方は、憲法の自由権のありようが全く逆転している。

更に問題は、石井委員などの発言に見られるように、防犯カメラの場合は、適法と考えられていると、言い切っていることだ。
これも完全な誤りである。
20年前の西成監視カメラ撤去訴訟判決の通り、まず「カメラ撮影」自体が「違法」でなのあり、そして裁判所は、その違法性が阻却される場合がどんなときかと色々と苦労してきたのである。
委員らの発言はその前提が間違っている上、西成監視カメラ判決も知らないままに議論していることもよく分かる。

仮にも、顔認証という重大なプライバシーにかかわる是非を議論する人たちが、何と、西成監視カメラ判決も知らないままに議論しているのである。

もっとも、弁護士である小林委員は、この点は、正しく指摘している。
即ち「商店街の防犯カメラの合法性を基礎づける法律は存在しないし、過去の裁判例に照らせば、違法となってしまう。」

これは正しい。
小林委員のこの指摘は全く正しい。

もっとも小林委員はこれに引き続いて、次の通り述べる。
「それでも防犯カメラは撤去されないのは、誰も違法と主張して裁判を起こしていないから、言い換えれば、今裁判を起こせば適法とする判決がでると思われているからであろう。」

既に「存在」しているから、「適法」とは限らない。
このことは、例えば、派遣法が出来る前の「派遣労働者」
パート労働法が出来る前の「パート労働者」が、ひどい違法状態におかれていたことは専門家なら誰でも知っている。
それでも裁判が起こされなかったのは、時間、費用その他、色々な意味で、裁判のハードルが高かったにすぎない。
「防犯カメラ」も同様であり、小林委員のこの推測には私は賛成出来ない。

いずれにせよ、防犯カメラと顔認証実験とは全く違う。

議事録を読んでみても、およそ私には、顔認証実験が合法であるとは考えられない。
にもかかわらず委員会は最初に結論ありきで進もうとしているように見える。

改めて、大阪駅前顔認証実験に反対する。
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by kazuo_okawa | 2014-07-09 23:20 | 情報・プライバシー | Trackback | Comments(0)