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by kazuo_okawa

美味しんぼ「スピリッツ」最新号を買う

本日午前中、たまたま大阪地裁岸和田支部の裁判があったため
その移動の帰りに「スピリッツ」を購入し、車中で、安斎育郎氏(立命館大学名誉教授)以下の「美味しんぼ」批判と意見の記事を読了する。

この「美味しんぼ」問題は、福島を訪れた主役に鼻血が出たという表現に
「風評被害」が生ずるとして激しく批判されたわけだが
各氏の意見を拝聴すると「鼻血を訴える人が多い」ことは事実のように思える。
(否定する意見もあるが、その論者の見聞の範囲などを考えると、鼻血を訴える人が多いのは事実だろう)

問題は、「鼻血を訴える」ことは、安斎氏の指摘の通り、「後付けバイアス」かもしれないし、或いは逆に、津田敏秀氏(岡山大学教授)指摘の通り、放射線が血管に影響を与えるのはほぼ定説であるから、そこから考えて、鼻血が多くても何の不思議もない、と考えるかである。

私自身は、津田教授には水俣病訴訟で大変お世話になり、その鋭い指摘と頭脳のシャープさは十分熟知している。
それ故、津田氏の意見には共感を覚え、その意見は実に痛快に感ずる。

しかしそれだけに、私自身が「バイアス」に掛かっているのかもしれない。

そう思って読めば小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)がいう、<鼻血が出ることについて現在までの科学的立証はない、しかし可能性がないといえない>というのが一番科学的な態度のように思える。(少なくとも「絶対にあり得ない」と否定する意見は科学者の態度ではないだろう)
しかも小出氏は、問題は、他の重要なことを忘れさせようとしているマスコミと行政を鋭く批判しているのである。

かれこれ読んで考えて、改めて「美味しんぼ」を見るに
一体そもそも、批判されるほどの表現かと思う。
その意味で、一番問題なのは、このような「美味しんぼ」の表現に対して「圧力」がかかったということであろう。

自分と違う意見でも、それを表現すること自体は尊重する。
その「表現の自由」が、今、危機に瀕していることを感じさせる。

実際はこれが一番怖い。
by kazuo_okawa | 2014-05-19 22:46 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)