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by kazuo_okawa

フクシマとミナマタ(その3)~巨額マネー

どうしても一言いっておきたい事がある。

それは、東北大震災が発生して、福島原発被害が生じた後の事である。
大阪弁護士会で、福島原発被害をどう救済するかを
「先行事件(即ち水俣病事件)に学ぶ」とした企画が行われた。
企画そのものは大変良い。
しかし、講演者の選択が間違っていた。
一人の話した内容がひどい。

即ち、水俣病事件史を語りながら、我々が担った「関西訴訟」をほとんど無視して、
それ以外の(言わば自分たちの)訴訟を賞賛しているのである。
(それは当日配布されたレジュメでも明らかである)
おまけに、その講演者は新しき患者切り捨て法である「特別措措法」をも評価していた。
水俣病事件史を知るものにはありえない講演であり、
聞き手を愚弄するのもあまりにもはなはだしいが、その批判はこれくらいにする。

国・熊本県の責任を追求する水俣病訴訟は、
私ども関西訴訟以外の訴訟は全て、国側と和解して訴訟は終えた。
その内容は国県の責任を全く棚上げにしつつ、一方で、「団体加算金」と言う名の
巨額マネーを各患者団体に支払うというものである。
これはあくまで団体へのお金の支払いであり
そこからそれがどのように流れているかは不明である。

重要なのは、この巨額マネーの出所は全て税金だということである。
ならばそのお金の流れは公明正大にすべきであろう。
しかも、これは、患者への損害賠償金ではない。
あくまで「団体加算金」なのである。

そもそも、国策たるフクシマ・ミナマタの共通項の一つは
巨額マネーとの闘いであった。
巨額マネーを受け取ったものにはどうしても「国策」批判は出来ない。

福島をはじめ原発誘致地には巨額マネーが動いたことは誰しもご存じであろう。
同じように国策被害ミナマタのケースでも、
「団体加算金」という巨額マネーが動いたのである。

水俣病事件において、二度の機会に置いて支払われた「団体加算金」は
総額約50億円と言われている。

あまり大きく報じられていないが約50億円の巨額マネーである!
明らかに事件を終わらせる意図を感じる。
つまり「口封じ」マネーである。

しかし前述の講演者はこの「団体加算金」という巨額マネーには
一切触れず、口を閉ざしていた。
by kazuo_okawa | 2014-03-13 21:37 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)