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by kazuo_okawa

政治と行政の癒着 - 堺市監査委員会審尋に参加して

堺市のとある議員が、事務所の実態がないのに、事務所費と称して
政務調査費という税金を、言わば「だまし取った」。

私は、長年にわたって政治浄化の運動をしている
野村孜子さんの代理人として、この違法支出の
返還を求める訴訟を行い、それが完全勝訴したことは、
私のホームページのトピックスに2度にわたって
お伝えしている通りである。

さてこの訴訟は、2008年度の政務調査費の返還を求めたものであるが
その問題議員は、上告することなく、判決に服し
受け取った政務調査費を遅延損害金をつけて返還した。

当然のことである。

しかし問題はここからである。

その問題議員は、2009~2011年も同様に
違法に政務調査費を受け取っているのであるから
この3年度についても返還しなければならない。

しかし問題議員がなかなか返還しないものであるから
またしても野村孜子さんが住民監査請求をした。
私はその代理人である。

さすがに問題議員も返還すべきは当然と思ったのであろうが、
収支報告書の修正という形にして
受け取った分(言わば元本分)だけ返して
遅延損害金は返さなかったのである。

せこすぎる。
実にせこすぎる。

もともと政務調査費という税金を「詐取」したこと自体卑しいものであるが
返すなら、潔く、2008年度の事件の判決のように
損害金をつけて返すべきものであろう。

にもかかわらず、少しでもけちろうと、損害金は返さない。
これは何であろうか。
いやしくも市民の税金を「詐取」したというお詫びの気持ちは
無いのであろうか。

そこで6月4日、監査委員会の審尋が行われた。

野村さんの意見陳述のあと、
私は損害金をつけない不当性の一点のみに絞って意見を述べた。

攻守代わって、行政担当者が、監査委員の質問を受ける。
行政担当者は、問題議員からの返還を、元本部分のみに
限って受け取り、損害金については、請求もせず
議員に何故かとの質問すらしなかった。

これに対する、行政担当者の答えは驚きである。

収支報告書の訂正がありそれに基づくものであるから
損害金は発生しない。
判決は、平成20年度の違法を指摘したもので
平成21年度以降については、市は、違法と断定していない。

驚くべき形式論理である。
これはまるで役人根性でないか!
(実際、役人なのだが…)

私はこのとき、先の画期的な4/16水俣病訴訟判決と
それでも行政の姿勢を改めない国の姿勢を
デジャブ現象のように思い出した。

この国は、上は中央省庁から、下は地方自治体まで
司法の判断を尊重するよりも、判決が出ても
自分たちの論理で動いているのである。

これは是非とも何とかしなければならない。

「何を寝ぼけたことをいっているのか!」

監査委員は、行政担当者に鋭く追求した。

「あなたは野村さんの事件の判決を読んだの」
「堺市は、民法の損害金の適用はないの」
「不法行為には損害金が付かないの」
「損害金を払わない、この議員に対してどうして『何故か』と聞かないの」などなど
行政担当者の不思議な対応を鋭く質問したのである。

この監査委員は、小杉茂雄委員であり
実は私と同様、本業は弁護士である。

私自身は、小杉弁護士はこれまで存じなかった。

この日初めて小杉弁護士を知り
その鋭い質問を聞いて、心の中で拍手を送った。

良い監査結果が出るように
小杉茂雄弁護士にエールを送りたい。
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by kazuo_okawa | 2013-06-08 15:02 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)