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by kazuo_okawa

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元旦に主要五紙から将棋記事を読む。

朝日新聞の将棋欄は、A級順位戦から、広瀬章人八段対屋敷伸之九段の対局。

同じく毎日新聞の将棋欄からは、A級順位戦から深浦康市九段対佐藤康光九段の対局。
2017年は朝日、毎日とも同じ対局でかぶったが、今年は違った。

日経新聞将棋欄は、女流王座戦・里見香奈女流王座対加藤桃子王座、これは昨年からの続きなのでやむを得ない。
将棋欄のすぐ上に、会心の譜に中村太地王座・王座戦第二局対羽生戦。
なかなか良い。涙の戴冠を思い起こす。

読売新聞将棋欄は、竜王戦6組1回戦・斉藤明日斗四段対小倉久史七段。
6組以外からも対局は選べるところ、これはなかなか注目のカードである。

産経新聞の将棋欄は、棋聖戦一次予選、藤井聡太四段対大橋貴洸四段。これも若手同士の好カードである。

五紙を見て興味深いのは、というか非常に驚いたのは、佐藤天彦名人はもとより、タイトルホルダーが一人も出ていないことである。
う~ん。
かつてなら、羽生の出ない年など無かったのだが…。

棋譜欄以外の記事。

先の日経以外には、朝日新聞が藤井聡太四段が経済学者安田洋祐准教授の対談。
その場でいきなり出されたツェルメロの定理に基づくゲームを、藤井四段が5秒ほどで気付くのがさすがである。
AIを巡るテーマなど非常に興味深い対談である。

読売新聞には、羽生善治竜王と藤井聡太四段の対談。
ここでようやくエース羽生の登場という感じであるが、主役は藤井四段である。
羽生竜王が藤井四段に先の竜王戦第四局の手について問い、藤井四段が「白眉の一局」と答えるのが凄い。
そして、藤井四段の和服姿も初々しい。
更には、藤井四段が、将棋界の未来について「自分が切り開いていかねばならない」と力強く言い切っている。

藤井四段は、将棋界の未来を担う強い自覚を持っているのだろう。
その言葉に強く打たれる。

今日の日本で、使命感を持った若者はどれくらいるのだろうか。
恐るべき15歳である。

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by kazuo_okawa | 2018-01-02 07:36 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

恐るべしA級順位戦!

永世七冠誕生の勢いと、何せ、区切りの百タイトル目が名人戦になることから、羽生がA級順位戦を勝ち抜くかと思われた。
何せ、A級順位戦は当初豊島八段が独走の5連勝。
しかし2連敗し、追いかける羽生が同じく2敗で追いついた。
普通こういう流れだと、追いかけた方が有利と思いますよね。

しかし、さすがにA級である。

本日、羽生竜王対稲葉八段戦。
恐るべし、としか言いようがない。

事務所を出るときABEMAをアクセスすると、丁度49手目、稲葉八段が88角と77の角との重ね打ちをしたところだ。
ABEMA解説、飯島栄治七段は絶賛し「これは思いつかない」と唸る。

そして帰宅したときには稲葉八段が勝利し、田村康介七段との初手からの振り返り解説が始まった。
横歩取り33角型であるが、2人の解説が素晴らしい。

横歩取りは、そこら中に、王手飛車などの罠があり、とうていアマチュアにはさせないが、見ている分には非常に面白い!
その危険な罠の解説と、稲葉八段の細かい名手を説明する。
まさしく稲葉八段の会心譜である。

それやこれやでの振り返りだが、いやあ、凄い。

これで羽生竜王が3敗。
2敗で豊島八段と久保王将がトップを走る。

いったいどうなるのか、ラス前一斉対局と将棋界の一番長い日最終局一斉対局が俄然楽しみになってきた。


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by kazuo_okawa | 2017-12-21 23:26 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

ニュースによれば、 安倍首相が13日に、将棋で史上初の「永世七冠」を達成した羽生善治と囲碁で2度目の七冠独占を果たした井山裕太について、国民栄誉賞の授与の検討を進めるように指示した、という。

将棋ファンとしては、釈然としない。

今回の、羽生の永世七冠達成は、今年の将棋ブームの頂点を締めくくるだけでなく、例えようのない余りにも偉大すぎる記録である。

井山氏は、井山氏で偉大であろうが、何で羽生の今回の偉業とわざわざ一緒にするのか不思議でならない。

あらゆる「賞」は愚劣である、と喝破したのは本多勝一である。
ましてや、政府が国民の人気取りとして利用されていきた「国民栄誉賞」である。

安倍政権は、将棋も囲碁も一緒にして、広く将棋界と将棋ファンのみならず、囲碁界と囲碁ファンの人気をも得るために考えたのであろう。

もともと、国民栄誉賞の基準ははっきりしない。
最大級に羽生を褒め称えた「特ダネ」の小倉キャスターは「羽生に比べれば過去のスポーツ界からの受賞者にははっきり言ってどうかと思う人もいる」と述べていたくらいである。
それゆえ、羽生の国民栄誉賞かと思っていたら、何と、井山氏も同時であった。

まあ、本多勝一の言うとおり、もともと「賞」なるものは愚劣であり、いい加減なのであるが…。

そんな中での、本日の、羽生永世七冠の日本記者クラブでの記者会見。
いきなり、この、国民栄誉賞の質問から入ったが、羽生は
「国民栄誉賞を検討して頂けるだけで大変名誉なこと。引き続き棋士として邁進して行きたい」
「(囲碁の井山氏と共に受賞を検討されていることについて)井山さんは非常に素晴らしい棋士です」と褒め称える。

その謙虚な姿勢にはただひたすら頭が下がる。

それだけでなくどんな質問にも、きちんと丁寧に答える。

本日の記者会見は必見であり、羽生の魅力をそのままに写している。
まあ、はっきり言って羽生の凄さは国民栄誉賞などという器でははかりしえない。

『2018年1月5日追記】
本日、正式に、囲碁の井山氏とダブル受賞が決まった。
羽生竜王は、質問前の冒頭の挨拶で「井山裕太十段とは、初めてタイトルをとられた二十歳の頃から交流があり、ずっと変わらず安定をして活躍をされており、現在進行形で囲碁の歴史を作られている棋士だと思っています。その方と同じ日にこういった賞をいただけたということは、私にとっても大きな誇りとなりました。」と述べている。
あとの質問でも、常に、囲碁界も意識して答えており、その大人ぶりには感動を覚える。



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by kazuo_okawa | 2017-12-13 22:59 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
羽生棋聖が永世七冠を獲得して、その特集記事やニュースを見るのは将棋ファンとして本当に嬉しい。

それらの記事では、およそ次のようにまとめられる。
即ち①若いころからの天才②そしてたゆまぬ研究と努力③更には将棋の真理を追い求める姿勢と常に新しいこともチャレンジする精神④それでいながら素晴らしい人間性と人柄。
…全く、申し分が無い。

しかしそれこそ羽生の若き頃より知っている長年の将棋ファン(当時は私は谷川浩司贔屓である)としては、羽生がここまで強くなった重要な資質をわざと落としているのではないかと思う。

それを象徴する羽生の苛烈なエピソードの一つは、1993年A級順位戦での「上座・下座」問題である。つまり対局する棋士同士のどちらが上座に座るかという問題である。

今日ではルール上きちんと整理されているが、当時は曖昧であった。
しかし何となく順位戦を基本に先輩などに譲るという漠然たる空気があった。

そんなときに、羽生は(空気を読めば自らが下座に座るべきところ)、1993年2月に対中原、3月に対谷川と相次いで(場の空気を無視して)上座に座ったのである。

対中原の時に問題にされたにもかかわらず、その後の対谷川も羽生は上座についた。
羽生は当時四冠であり自分なりの基準で上座についたのである。

当時、羽生は「定跡を信用せず疑ってかかり、他人が何を言おうと気にせずやったから強くなれたんだと思う」と述べている。

羽生はその後チャンピオンロードをひた走りに走り、やがて前人未踏の七冠同時制覇を達成する。
羽生の人柄もあり、もはや、羽生に「何かを言う人」はいなくなる。

そうして、羽生の、このもう一つの資質は忘れ去られた。

しかし、若き才能をつぶしかねない「同調圧力」「空気」をはねのかす資質は実は非常に重要なはずである。

そして「同調圧力」「空気を読む」ことは、我が日本人にとって一番問題なところでもある。

羽生を絶賛するなら、この点も是非忘れずに指摘するべきだろう!

他人が何を言おうと気にしない!


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by kazuo_okawa | 2017-12-11 18:36 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

前人未踏の永世七冠!

注目を浴びた2017年将棋界。

やっぱり、最後は「この人」が持っていきました。

将棋界の絶対王者、スーパースター羽生善治が永世竜王を獲得することによって、永世七冠を達成したのである。

棋士にとってタイトルを取ること自体が並大抵でないが、ましてや永世位となればとてつもないことである。例えば伝統ある名人位、この半世紀で永世名人はわずか5人しか出ていない。わずか二人しかしない永世位もある。
それを羽生は永世位のある7大タイトル(新設叡王はまだ永世位はない)のすべてについて永世位を獲得した。

これがいかに凄いことか、いやあその凄さの形容のしようがない!

天才にして努力を欠かさない。
そして常に相手の得意形に飛び込む。
その姿を見るだけでも将棋ファンとして心を打たれる。

2017年12月5日は将棋界にとってまさに歴史的な一日となった!


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by kazuo_okawa | 2017-12-05 16:56 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
2月7日、羽生三冠の講演会が大阪で開かれた。
題名は「先見力と決断力」
会場はビジネスマン中心に超満員。

私は羽生の著書は約20冊持っているが、そのうち約3分の1は『決断力』(角川ONEテーマ)『直感力』(PHP新書)など人生の指南書か対談本である。
羽生の著作は何度も読んでいるので、考え方はそれなりにわかっているつもりだが、それでも改めて聞いてみると実に素晴らしい。
棋士の指し手の決断に至る「直感」「読み」そして「大局観」の説明とその三者について羽生なりのバランスのとり方が述べられる。
加えて、勝負師としての「調子」「運やツキ」「モチベーション」「プレッシャー」について羽生の考え方を示す。
更には「記憶」「情報」「AI」という興味深い話に移っていく。

私が感心したのは羽生は常に柔軟に対応していることだ。
年代に応じて、また環境の変化にも応じていることが分かる。

今、彼は意識的にアクセルを踏んでいるという。
若いときは放っておいてもアクセルをかけがちだから若いときはブレーキが必要だが
今は逆だという。
彼はそれを意識してアクセルを踏むというのである。
また小さなリスクを重ねることがいい、ともいう。

ここで羽生は、大きな試合を控えており、この対局でリスクを取らない戦法を選ぶかどうか
という話に続ける。
自分にとって得意戦法をとることが一番リスクが低いのだが…。

さてこの「大きな試合」とは何か。
熱心な将棋ファンならノータイムで気付く。
言うまでもなく来週に控えた対三浦戦である。

しかし、聞き手の多くはビジネスマンであり、
将棋ファンでなければこのくだりは一般論としか思わないだろう。

羽生はその後ミスの話に続ける。
自らの最大のミスのエピソードを挙げる。

しかしミスした方が負けるとは限らない、と続けるのである。
むしろミスをしてうまくいくこともある。
そこに人生の機微がある。
つまり不確定なものの面白さがあるという。

羽生のまとめがいい。

将棋界の未来について「この先どうなるか。先が見えない」という人がいる。
しかしもともと先が見えていたのか。
いやもともと先が見えない。
ならば大まかの方向性のもとに、それに沿っていき、もしも予期せぬことが起こったらそこでまた考える。

羽生はこのように締め括くった。
1時間30分ぴったりの見事な内容である。

改めて将棋界の至宝羽生の素晴らしさに感銘する。

【追記】
来週の対三浦戦。
羽生講演を受けて、私は戦型を「角換わり」と予想する!

【2月12日追記】
「将棋ソフト不正使用騒動の三浦九段 復帰戦の対戦相手は“因縁”の羽生三冠」という週刊朝日の記事がひどい。
あくまでネット上で読んだ限りだが、
「第三者調査委員会の調査で疑惑が晴れたわけだが、動画の視聴者は、三浦九段の一挙手一投足に気を配るだろう。」という書き方自体が予断を持っている。
三浦復帰戦で対羽生という好カードに、将棋ファンの多くはそんな見方はしないだろう。
ましてや「羽生三冠にもプレッシャーがかかる。「限りなく“黒に近い灰色”だと思います」とメールの内容が報道され、妻の理恵さんがツイッターアカウント上で釈明したことで、騒動が広がる結果となった。」においては事実認識としておそらく間違っている。
それまでは、<三浦九段疑わしい、処分止む無し>の空気が、羽生の(理恵さんによる)ツイッター<週刊文春の記事は正しくない。「疑わしきは罰せず」である>によって、空気が変わったと言われているのである。
しかも、羽生は、渡辺竜王の要請で、しぶしぶ島宅に行ったに過ぎないと思われる。
何故に、週刊朝日が、こういう「煽る」記事を書くのか!
冤罪被害者たる三浦や、それに巻き込まれた羽生の立場を無視して、単に煽っているにすぎない記事である。
長年の将棋ファンとして、「週刊文春」もひどいが「週刊朝日」もひどい。

【12月22日追記】
羽生はこの時から、竜王戦にかける並々ならぬ決意を秘めていたと思われる。永世七冠を達成した今、講演を振り返ると実に興味深い。





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by kazuo_okawa | 2017-02-09 01:17 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
新年1月2日にBSフジで放送された
「The GAME 震えた日 
羽生善治vs谷川浩司『史上初の七冠制覇』」が
大変面白かった。

1996.年2月.14日に最後の王将戦のタイトルを
奪うことによって達成した、羽生の将棋界七大タイトル全冠制覇を
18年後の今、当事者2人、即ち勝者羽生善治三冠、敗者谷川浩司九段が
大崎善生、つるの剛士を交えて語るという
将棋ファンにとっては楽しみな番組であった。

内容は、羽生の七冠挑戦につねに立ちはだかった
谷川浩司との壮絶な戦いの歴史から紐解き
対局中のさまざまなエピソードや盤上の戦略を、
羽生、谷川本人が語り合い、そして、最後に
七冠達成の決め手となった対局を、当人たちの語りとともに
再現するというものであり、このような企画は過去にない。

将棋には勝負の終了直後に、両者が将棋を振り返って検討する
「感想戦」というものはあるが、
後日、両者が、一緒に対局を振り返るという企画はこれまでにはない。
敗者の気持ちを考えればこれは当然であろう。

しかし、それが今回、このような企画が実現したのは
それくらい、羽生七冠制覇の偉業が素晴らしい上
今や日本将棋連盟の会長である谷川が
大きな観点から将棋ファンのために了承したからに違いない。

敗者谷川の語り口は興味深い。
勝者羽生もおごらず、言葉を選んで話す様は印象に残る。

羽生はこの前年も、七冠制覇の直前まで行きながら
それを谷川に阻止された。
しかしその後一年、羽生は六冠を全て防衛しつつ
再び王将戦の挑戦者決定リーグ戦も勝ち抜いて
挑戦権を獲得するのである。
この凄さは形容のしようがない。

常に羽生の前に立ちはだかった谷川。
谷川からすれば急速に追いかけてきた後輩の実力者羽生。
谷川対羽生の激闘ほど面白いものはないが
しかし両者の語り口は極めて紳士的である。

大崎善生は当時、専門誌「将棋世界」の編集長であり
七冠制覇のシリーズを間近に見ており
且つ、七冠達成後「将棋世界・臨時増刊号」を発行している。
その大崎も振り返っており、テレビ番組として
面白くないはずはない。

その番組中、印象的だったのは
この王将戦に先立つ、別のタイトル戦のエピソードである。
羽生竜王が挑戦者谷川を迎え撃つ竜王戦で、
それは羽生が初めて、谷川の挑戦を受けるという初めての場面であったが
そのときチャンピオン羽生が、上位者の役割として、
駒袋から駒を取り出すときに、羽生の手が震えた、
というエピソードを、大崎が語っていたことである。

後年、羽生は、自己の勝利を確信するときに
手が震えることで有名になるのだが
初期の頃は違ったかと、妙に私には印象に残った。

こういう駒袋を開けるシーンは編集者として絵になるのだろう。
七冠制覇シリーズではどうだったか。
前著「将棋世界・臨時増刊号」を改めて読み返してみると
やはり大崎編集長は一頁使って羽生が駒袋から
駒を取り出すシーンを掲載している。
もっとも大崎はこの王将戦では
「羽生のしぐさ表情には、将棋への畏敬の思いが漂っている」と
キャプションに書いている。

番組では、七冠達成を決めた一局を再現し
それを検討している。
谷川が、敗者側として語るのは
さぞかし辛いものがあるだろうが
淡々と振り返るのはさすがにプロである。

ところが、前著「将棋世界・臨時増刊号」を
18年ぶりに読み返して驚いた。
この前年に、羽生が七冠達成に失敗した直後
共同記者会見をどうするかについて
記者が敗者羽生に「どうですか。嫌ならいいんですが」と
尋ねたときに、羽生は
「いいですよ、やりましょう」と拍子抜けするくらいに
あっさりと答えたという。

その様子に、毎日新聞加古明光記者は
青年羽生に「感嘆した」と書いている。

谷川、羽生、
自ら、敗者の弁を語ることも
超一流の証なのかもしれない。



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by kazuo_okawa | 2014-01-04 22:48 | 将棋 | Trackback | Comments(0)