19日のニュースで、自民党が離党3氏を復党させるという案に驚いたものである。
離党3氏とは、緊急事態宣言中に、政府が国民に「会食の自粛」を求めているにもかかわらず、松本純衆院議員ら3人が銀座の高級クラブで3軒はしごしする深夜飲食を繰り替えし、しかも当初松本氏は「1人だった」という嘘つき、実際は、大塚高司、田野瀬太議員ら計3名で飲み歩いていたというもので、ばれてから、3人は自民党を離党した。
国民には、自粛を求めながら自分たちは平然とルールを破る、指摘されても嘘をつく、嘘がばれると、離党でお茶を濁す…。
およそ政治家の資質に欠けるだろう。
にもかかわらずこの「嘘つきはしご酒トリオ」を復党させるというのである。
そもそも自民党は「離党」で問題を終わったとばかりに、その後、この問題は知らんぷりで、しかし、この3人はそれぞれ無所属で出馬し、当選したら自民党に復党する、というのが、既定路線であった。
こういう手法自体、政党政治を脱法化するものであるが、しかし自民党はこれまで何度も繰り返してきた。
まあはっきり言って国民を舐めた手法である。
ところが今回、その既定路線ではなく、先に選挙前に復党させるというのである。
何故かというその理由を、21日付日刊ゲンダイが明かしている。
自民党が行った選挙情勢調査で、この秋には行われるであろう解散・総選挙で自民党は「50議席減」という予想に衝撃を受けたからであるという。
確かに私の住む豊中市ではそこかしこに、立憲の予定候補者と維新の予定候補者のポスターが立ち並ぶ。
しかし大塚氏のポスターはない。
自民党支持者の掲示スペースには、例の(前記3議員が謝罪会見したその後ろに大きく掲示されていた)「国民のために働く」という菅首相ポスターである。
復党すればこの菅ポスターが、大塚隆司ポスターに変わるのだろう。
半年間「反省した不利」をすれば、国民は忘れる。
それよりか、自民党支持者回りをして、そしてポスター張り巡らせば勝てる、と踏んでいるのであるから、国民を何重にも舐めた話である。