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私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa
愛知、東京で中止・延期という事態が生じていたため、本日(7月16日)から大阪府立労働センター(エル・おおさか)で開催される企画展「表現の不自由展かんさい」が注目されていた。

ところがこの企画展を巡っては開催が明らかになった6月中旬以降、労働センターへ抗議が相次いだことから施設側は利用者の安全が保証できないと判断し、25日付で使用許可を取り消し、あろうことか吉村洋文大阪府知事もこの取り消しを支持した。

実行委員会は先月末に大阪地方裁判所に予約取り消しを無効とするよう執行停止を申し立て、地裁は今月9日その申し立てを認める決定を出した。
さらに施設側は決定を不服として大阪高裁に即時抗告していたが、大阪高裁の本多久美子 裁判長は15日に地裁の判断を支持する決定をだした。

決定文は読んでいないが、ニュースによれば「主催者が平穏に開催しようとしているのに、その思想などに反対する他のグループなどが実力で妨害しようとするおそれがあることを理由に公の施設の利用を拒むことは憲法の趣旨に反するといえる。警察の適切な警備などが想定されるので、重大な危険が生じることが具体的に予測されるとまではいえない」と指摘したという。

極めて妥当で、極めて当たり前で、司法が司法の役割を果たしたと言えよう。

それにしても余りにも情けないのは吉村知事である。

彼は弁護士であったはずだ。
弁護士なら普通は、憲法の意義、中でも「表現の自由」が他の「自由」にも増して重要であり、「自由」の中でも優越的地位をもつことは熟知しているはずだ。
異なる意見も闘わせるという民主制に不可欠のみならず、他の「自由」が侵害されたときに「表現の自由」が機能していればその自由の回復にも資する。

それやこれやで「表現の自由」は何よりも重要であり、その規制は極めて例外的なもので無ければならない。
そんなことは弁護士なら十二分に知っているはずである。

「人権」「自由」をいとも簡単に制限する。
そう考えると大変恐ろしい。


# by kazuo_okawa | 2021-07-16 10:06 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
基本的に関西の棋士を応援している。
かつて、谷川浩司九段が、順位戦を駆け上がっていったとき、私自身は司法試験の勉強中であったが重ね合わせて彼を応援したものだ。
人間性も含めて今もファンであり、私は自分の長男に「コウジ」と名をつけた(漢字は違う)。

やがて谷川九段は史上最年少名人を獲得するが、天下を取る間もなく、羽生善治九段が猛追してくる。
誰しも「羽生時代」が来るだろうと思ったが、それでも私は谷川九段を応援したものだ。

藤井二冠と豊島竜王の闘いは、丁度この、羽生・谷川戦のデジャブ現象のようだ。

昨日、藤井聡太二冠は王位戦の第2局で最強挑戦者と言われる豊島将之竜王に勝利した。

第一局は完敗。
この第二局も中盤までは、豊島竜王がリードしていたが最終盤に逆転し、そのまま藤井二冠が勝利した。
もっともこれもAI評価値が表示されるから分かるのであって、では当然のように思える玉を守る豊島竜王の一手で、何故AI評価値が逆転するのかを説明するのが解説者の役割であり、その力量は今後ますます問われるだろう。

王位戦は、これで一勝一敗であり、通算成績は藤井二冠から見て2勝8敗である。

やがて二人の成績は「平均への回帰」となろうが、それにしても豊島竜王には長く藤井二冠のラスボスでいてほしいと願うのである。

【追記】Abemaのタラれば検討会やマニアック解説は非常に面白いが、中でも遠山雄亮六段が熱く語ったマニアック解説が二人の対局の高度さがよくわかる。
戦型は角換り相早繰り銀であるが、豊島竜王に二つの工夫があったという。
それは端の位を取ったことと、そしてもう一つは31手目76歩であるという。
この手の意味は是非マニアック解説にアクセスしてほしいが、プロである遠山六段が藤井二冠、豊島竜王の闘いがいかに高度であるかを感心するところにこの二人の凄さが伝わってくるのである。


# by kazuo_okawa | 2021-07-15 12:58 | 将棋 | Trackback | Comments(0)

送りつけ商品の「処分」

特定商取引法が改正され、7月6日より「売買契約に基づかないで送付された商品」が直ちに処分できるようになった。

いわゆる「送り付け商法」で、勝手に送り付けられた「商品」の処分のことである。

私が弁護士になったころは「押し付け販売」と呼ばれていたが、内容は一緒である。
注文していない商品を、強引に送りつけ、消費者が買ったものとみなして代金を一方的に請求するインチキ商法である。

もっとも独禁法上禁止される「優越的地位の濫用」にあたる不公正な取引方法の一つとして「押しつけ販売」もあることから、消費者被害のこの「押しつけ販売」は「送り付け商法」と呼ぶようになった。

さてこの送り付け商法、消費者が注文や契約をしていないのにも関わらず、一方的に商品を送りつけられたのであるから、商品代金は払う必要はない。
無論郵送代を使ってわざわざ送り返す義務もない。

放っておいたらよいのである。
では、ほっとくと言っても「商品」自体はどうしたらよいのか。
勝手に処分できないのか。
一応、インチキ商品とはいえ、所有権はそのインチキ詐欺師にある。
勝手に処分は出来ない。

これまた私が弁護士になったころは、処分できるまで「3か月」かかった。
インチキ詐欺師が3か月の間、取りに来なくてようやく処分(廃棄・利用)が出来たのである。

「ええ、3か月も置いとかなあかんのですか」と言われたものである。

それが「14日」に改正されたとき、短くなって実に良い改正と思ったものである。
「14日」というのは(控訴期間その他)法律家に馴染んでいる期間ですからね。

それが今回直ちに処分できるようになった。

考えてみればインチキ詐欺師のために「14日」も待つ必要はない。
ある意味「法律家の錯覚」であったと知った次第である。


# by kazuo_okawa | 2021-07-14 08:32 | 法律相談・法律の話題から | Trackback | Comments(0)
ぼうごなつこ氏の新著である。
2020年12月から2021年3月までツイッターで連載された風刺漫画をまとめたものである(扶桑社発行1650円)。
帯には、<日本の『新型コロナ』苦境は誰のせい!?>
<場当たり凌ぎで反科学的対策で日本中を苦しめる呆れた面々>

作者曰く、「菅義偉政権がやったこと、やらなかったことの記録として、1冊にまとめられて良かった」と書籍化したという。

本書を読めば、ああそうだったと、アベスガ政権のひどさを思い出すだろう。
例えば、国民には,PCR検査を圧倒的に行わず、補償なき自粛の押し付け、そしてコロナ感染しても「75度以上4日間」の自宅待機、この政策の為に亡くなったものも数多くいると推察される。

ところが、ところがである。
自民党石原伸晃議員は、マメにPCR検査を行い、そして陽性だったら無症状でも直ちに入院。
このとき、入院できず「自宅待機」となっている新型コロナ感染者は3万5000人いたという。

漫画なので読みやすい。
強くお勧めする。


# by kazuo_okawa | 2021-07-13 07:17 | 本・書物 | Trackback | Comments(1)
新型コロナウイルス感染症対策本部が東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めた7月8日夜、このときの菅義偉首相の記者会見のヤラセはネット上批判された。

何が起こったのか。
質疑応答について、小野日子内閣広報官がまず、記者たちに向かって「再質問なし」「質問したい記者は挙手で」と説明し、それを受けて、幹事社、それ以外のメディアが質問するはずだった。
ところが、この日はなぜか挙手していない記者が指名され、さらに、その記者が質問を始める前に、菅首相が答弁原稿を探し始めたという事件である。

余りにも露骨というか、国民を舐めているというか、これはおよそ「質疑応答」と言えないだろう。
「国民の知る権利」に答えようという姿勢におよそほど遠い。
この姿は、この国が民主国家でないことを、自認しているに等しい。

こんな事件が起こって批判されているにもかかわらず、翌9日のことである。

今度は、丸川珠代五輪相の記者会見。

「抗うジャーナリスト」金平茂紀氏が、質問しようと手を上げたが、全く指名されず、金平氏は最後に「なぜ当てないんですか、もう1問だけ」と食い下がったが、そのまま会見は終了された。
金平氏は、引き上げる丸川大臣を追いなおも「大臣!」と声をかけたが全く無視されたという。

首相が首相だから、大臣も同じだともいえる。

しかし、丸川氏はもともとメディア側にいた人ですからね…。


# by kazuo_okawa | 2021-07-12 06:59 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)