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by kazuo_okawa

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「絶望の裁判所」(講談社現代新書)で話題を呼んだ瀬木氏の新著が発刊された。
内容は「絶望」の続きである。

裁判に関わった事のある人なら、「裁判所も結構ええ加減でないのか」と思った方も少なくないだろう。
本書は、その日本の裁判の実状を(そしてそれは悲しくなるひどい実状を指摘しているのであるが)、具体例を挙げて、分かりやすく説明している。
とりわけ、本書の刑事裁判や行政裁判の項で書かれていることなどは、全く同感である。
自衛官合祀拒否訴訟や大阪府水道部架空接待訴訟などに関する指摘は、私も間接的に関わりがあるため大変興味深い。

瀬木氏指摘の通り「国策」の事件はまず勝てない。
本書では触れられていないが、私が経験した住基ネット違憲訴訟も大阪高裁では「違憲判決」が出ながら最高裁では「合憲判決」となった。

そもそも、裁判所内部の事柄や裁判官の考え方についても、長年実務を経験した者は、おそらくこうではないかと多くの者が推察している。
それを、その通りですよ、と内部にいた元裁判官が暴露しているのである。
ここが凄い。

「絶望の裁判所」の感想にも書いたが、内部にいた者が元の古巣を批判することを問題にするものがいるが、私はそういう考えに反対である
批判の対象は三権の一翼を担う「司法」である。
「司法」をよくするためにもこういう批判は歓迎すべきであろう。

本著は前著の反応や、弁護士・弁護士会への指摘も私には興味深い。

本書を強くお薦めする。
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by kazuo_okawa | 2015-01-31 20:57 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
1月28日、久しぶりに簡易裁判所に行く。

簡易裁判所の扱う事件は、争いの価額が140万円以下のいわゆる少額の事件である。
私がこの日、簡易裁判所に行ったのは、依頼者の代理人として出廷したものである。
午前10時の事件が同時に7件指定されていたが(裁判所はこのように同時刻に幾つも事件を指定し揃った順に裁判をする)、この7件は何と、双方とも「本人のみ」(代理人弁護士がいない)という事件は全くなかった。
つまり、全てが、どちらかに、或いは両方に弁護士が付いていたのである。

これは30数年前、私が駆け出しの頃の風景とは全く違っている。
当時、簡易裁判所に弁護士が来ることはほとんどなかった。
つまり少額訴訟を弁護士が引き受ける(依頼者からすれば弁護士に頼む)ことは、一般に、少なかったのである。

それがどうだろう。このありようである。
理由は簡単。
いわゆる司法改革によって法曹人口(中でも弁護士)の数が急増したからである。

弁護士急増によって、弁護士としての質の低下その他、問題点は色々と指摘されている。
それらの指摘はいずれも正しい。
しかし、一方、従来弁護士がかかわらなかった少額訴訟を、弁護士がかかわるということ自体は悪くないであろう。

いわゆる、弁護士の敷居が低くなった事を意味する。

別の弁護士のセカンドオピニオンを聞くことや、依頼した弁護士を途中で「取り替える」ことも普通に広く行われるようになった。
弁護士に依頼する市民にとって便利になったことは違いない。

これらが司法改革の効果であることは違いないであろう。
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by kazuo_okawa | 2015-01-30 01:02 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)
1月28日のニュースによれば、住所不定無職(36歳)の被疑者の窃盗被告事件において、被疑者の車などにGPS端末を付けて行動を監視したことについて、弁護人が「プライバシーの侵害に当たり違法だ」と主張していた裁判で、大阪地方裁判所の長井秀典裁判長は「使用されたGPS端末は24時間、位置情報が取得され記録されるものではなく、地図上の表示も、数百メートル程度の誤差が生じることがあった。捜査員は、尾行の補助として位置情報を使用し、記録として蓄積していたわけではなく、プライバシーの侵害の程度は大きくない」として、違法ではないという判断を示した、という。

あくまでニュース報道であり、判決文そのものを読んでいないが、刑事裁判の中での判断であるから、おそらく窃盗を裏付ける「証拠」に対して、弁護人が違法収集証拠であるとして証拠排除(違法に収集した「証拠」は、裁判の証拠とすべきでない)の主張をしたことに対して、裁判所が「違法として証拠排除することはしない」と判断したものと思われる。

違法収集証拠排除原則とは、憲法・刑事訴訟法から導かれる原則であり、平たく言えば、捜査官が違法に収集した「証拠」は、そんな違法を許さないためにも、裁判の証拠に使ってはいけない、というものである。

例えば、拷問で被疑者の「自白」をとっても、そんな「自白」証拠は、違法に収集されたものですから、裁判の証拠にしてはいけない(仮に、その人物が真犯人としても)いう原則ですね。
拷問のような、違法な証拠収集を許さないためにも、これは当然の原則である。

さて、そういう原則がありながら、我が国の刑事裁判では、その「証拠収集証拠排除原則」は極めて緩やかに運用されているのが実状である。
これも平たくいえば、少々の「違法」は目をつむる、ということである。
つまり、「違法の程度」が低ければ、そういう「収集証拠」も許して、それを、裁判の証拠としてよいとしてきたのであり、この長井判決もその流れである。

その長井判決もGPS捜査がプライバシー権侵害とは認めている。
当然である。
GPS捜査は、監視カメラ以上に、「特定個人」を対象にしているのである。
仮に、監視カメラ同様一定の場合には認められる(いわゆる大阪地裁5要件説)という立場に立つとしても、GPS捜査は、監視カメラ以上により厳しく制約されるべきであろう。

にもかかわらず長井判決のような結論がでるのは、おそらくここには、「悪い被疑者」を許してはならない、という価値観の方が上まっているのだろう。

しかし、どんな場合でも、指弾する側は「クリーンハンド」でなければならない。
まして、刑罰という強固な力を発動する「国家」は尚更「クリーンハンド」でなければならない。

加えて、前述の通り、「GPS捜査」は、監視カメラ以上に、対象個人を特定しており、いわば、その人の「行動」を監視しているのであるから、これほどひどいプライバシー権侵害はない。
判決も「プライバシー権」を侵害していることは認めている。
しかしそれでいながら、その程度が「大きくない」から許される、とされたのではたまらない。

GPS捜査について、それが必要なら、何らかの法規制が必要である。
そして、そういう法規制がいまだない現状では、GPS捜査は許されない、と考えるべきである。

私はこの長井判決に納得しえないが、万が一、この判決を容認する立場に立っても、判決の読み方を間違ってはならない。
即ち、判決は、GPS捜査を「あくまで尾行の補助」としていること、「今回のGPS捜査の性能の悪いこと」を指摘した上での結論であることに注目すべきである。
長井判決も、こういう条件のもとに、違法でない、としたのである。

ゆめゆめ、一般的に「GPS捜査」が許されるとしたわけではない。

少なくともこのことは大きく強調すべきであろう。
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by kazuo_okawa | 2015-01-28 23:58 | 情報・プライバシー | Trackback | Comments(0)
飯塚祐紀七段の「奇襲振り飛車戦法」(マイナビ)が新発売された。
早速購入しましたが、これがなかなか面白い。
私自身、将棋の実戦から離れ、昨今は専ら観戦派なのであるが、奇襲戦法本が興味深いのは、一にも二にも、その「意外性」にある。

奇襲戦法にハマってしまえばあっという間に撃沈する。
この「落とし穴」にハマるというか、ハメるというか、その意外性が良い。

まあ、なんというか、こういう意表をつくのがそもそも好きなんですね。
だから、奇襲戦法!

飯塚七段の著を読んで、昔、この種の本を買い求めたことを懐かしく思い出しました。

何と言っても、この分野で、革命的なのは、1974年(何と約40年前!)に故米長永世棋聖が発行した新著2冊「角頭歩戦法」「新鬼殺し戦法」(山海童)であろう。

超一流棋士である米長九段(当時)の著が、「矢倉」や「振り飛車」といった正攻法の指南書ではなくて奇襲戦法であるところが驚かされる。
古くからある「鬼殺し」はともかく、「角頭歩戦法」には実に驚いたものである。
米長のこの2冊は、後に、将棋界において数々のアイデアを提供していく米長の溢れる才気を予感させる画期的な試みである。
とはいえ「将棋奇襲1,2」の2巻として発表されたこの2冊は、奇襲戦法でありながら、内容は高度で体系だっている。

遅れて2年後、「終盤の魔術師」との異名をとった森雞二八段が「はめ手入門」(ベストセラーズ)を発行する。
当時絶好調の人気棋士であり、将棋史に残る剃髪で臨む名人戦の2年前である。
内容は、戦法のみならず、文字通りの「はめ手」の数々の紹介であるが、手筋も含めたしっかりした実戦書である。

さて米長、森とくれば、忘れてならないのは「東海の鬼」花村元司九段である。
森に遅れて3年後の1979年花村が発行したのが「ひっかけ将棋入門」である。
まあ、これは、文字通りの「反則」技も書かれており、読み物として読む分には非常に面白いが、まああまり実戦にはどうかと思う箇所もある。

とまあ、1970年代にあれこれ色々と出版された奇襲戦法本であるが、それらを集大成したのが1989年発行の「奇襲大全」(湯川博士・週刊将棋)である。
実に色々な奇襲戦法を網羅している。
コラムも含めて大変面白い。

他に「神戸発珍戦法で行こう」(島本亮)や、奇襲戦法ではないが、将棋世界で紹介された「痛快!7七飛戦法」(村田顕弘五段)、「初手の革命、7八飛戦法」(角倉啓太四段)も面白い。

さて奇襲戦法が何故面白いのか。

「初手3六歩戦法」で驚かせた林葉直子は「勝つのが目的でなく、驚かすのに重点をおいていた」とその自戦記で書いているように(「将棋世界」1991年12月号)、本格ミステリやマジックと共通の「意外性」ゆえに面白い。

意表をつく戦法、「意外性」好きの方には是非お薦めしたい。
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by kazuo_okawa | 2015-01-27 23:35 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
昨年の乱歩賞作家下村敦史氏のプロ第2作「叛徒」を読む。
新人2作目とは思えないうまさである。
何よりも昨年の乱歩賞作品の発行から半年で発売されたことに驚く。
そして、そのミステリとしての完成度も高い。

(以下、ネタバレしています)

私が思うには、著者はミステリの手法に通じている。

その一つは「評価の反転」である。
ミステリの醍醐味を何処に求めるかはファンそれぞれであろうが、私は基本的に「発端の謎、中段のサスペンス、結末の意外性」というそれこそ大昔から言われる(その表現に手垢がついているが)ところが好きである。
そして、読者の意表をつく意外性が良い。
その意外性の手法に読者が思っている「評価を裏切る」のが、私は好きである。

一番典型なのは、「善人」と思われていた人物が、「真犯人」だというものであるが、そういう典型例でなくとも、
「ぼんくら」と見えるが「優秀」、
「悪の側」と見せかけて実は「善の側」など、
「叛徒」はその読者への「評価の反転」が実にうまい。

もう一つは「ストーリーの交錯」である。
典型例は、「過去のストーリ」と「現在のストーリ」や、「現実の事件」と「家族の問題」などであるが、無論、色々なパターンがある。
一番面白いのは、主ストーリとして「現在の事件」が進行し、従ストーリとして「過去の事件」があるが、それが実は重なっていずれもがサプライズエンディングとなるというものである。
3つ以上のストーリーの交錯もあるが「読者の負担」の大きいのは、エンターテインメント小説としてふさわしくない。
「叛徒」は本の帯にあるように、1度目は「正義」のために義父を裏切り(これが過去のエピソード)、2度目は息子のために「警察組織」を裏切る(これが現在進行の事件)、という「裏切り」のテーマが重なる。
私としては「1度目」が「2度目」に影響する(アガサクリスティ風に言えば「過去は未来に影を落とす」ですね)という「因果」をもっと強める方が良いと思うが、まあこの辺は好みでしょうね。

さてメインテーマの通訳捜査官の「誤訳」。
かつて、「民間通訳」が「取調官」に知られずに、被疑者に対して「絶対に喋るな」と脅した事案があった(いつ、どこの事件だったか調べる時間が無いのでここは記憶で書いている)。
だからこその「警察通訳」のはずであるが、その問題点にとりくんでいるところが興味深い。

そしてラスト。
心地よいエンディングである。

乱歩賞受賞作「闇に香る嘘」の感想にも書いたが、期待しうる作家である。
「叛徒」お薦めしたい。
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by kazuo_okawa | 2015-01-25 15:15 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
私の「事務所報」に掲載したパズルをこのブログにも紹介しました。

問題は「2,0,1,5の4つの数字と演算記号を自由に使って「27」を作りなさい。
演算記号というのは、+、-、×、÷、√、その他色々ありますが、どんな演算記号を使っても構いません。また、4つの数字は、2つ並べて二桁の数字にするのも、3つ並べて三桁の数字にするのも自由です。」というものです。

ちょっとした集まりにもこの問題を出すと、結構盛り上がったりします。
さて解答はおわかりでしょうか。

(解答を書いていますのでご注意下さい)

私の用意した解答は、「25+1+0!」です。これで「27」になります。
0!(ゼロの階乗)は1ですので、これに、気付くかどうかがこの問題を解く鍵です。

さて、この私の解答に対して、私の大学の先輩(学部は理系です)にあたる実業家から、別解を2つ寄せられました。
「5の2乗+1+exp0」
「5の2乗+1+cos0」
です。
「25」でなく、「5の2乗」とするのもスマートですが、「exp0」(対数の底eのゼロ乗ですから1です)、「cos0」(コサイン・ゼロですからこれも1です)と2つも別解を見つけられたのですから、脱帽です。

基本は、0(ゼロ)を1にする方法を見つけるのがポイントですが、「exp」や「cos」はなかなか思いつきません。

感服です。

同氏は、町でタクシーを見かけるとそのナンバーを見て、「その4つの数字を使って10にしなさい」というパズルを解くそうです。

例えばナンバーが「1729」であれば、「2×9-1-7」で「10」になりますというように。
こういう「頭の体操」を日々していれば、冒頭の2015年パズルも簡単というわけですね。

いやあ、実に素晴らしい。
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by kazuo_okawa | 2015-01-23 23:59 | パズル・統計・数学 | Trackback | Comments(0)
本日、仕事で遠方に出張。
そういうときは、昔は、ミステリに読みふけるというのがお決まりだったのですが、昨今の将棋アプリは実に誘惑的である。
リアルタイムに対戦の模様を知らせてくれる。

本日は何と言っても、王将戦第2局(渡辺明王将対郷田真隆九段)と竜王戦一組ランキング戦(森内俊之前竜王対豊島将之七段)の注目の2局があった。
いずれも角換わりから相懸かりであるが、王将戦は千日手模様なのに対し、ランキング戦は森内の新たな工夫の付き越しに対して、豊島がそれを許さんとばかりに攻め込んでいくという闘いであり、俄然、ランキング戦が面白い。

攻めていった豊島の24飛がバックするのでなく攻め入ってほしいと思うところ、豊島は長考する。

解説によればかなり難しい場面のようであるが、豊島は、64飛と攻めを決行する。
ここが見ていて気持ちいい。

そして、解説が示したとおり、森内は難しい受けをするが、ここで豊島は11銀!
いやあ、体が震えました。
相手の陣の奥深くに、銀を「只捨て」。
しかし森内がこれをとれば勝負を決める「王手飛車」。
こういうのが将棋の醍醐味ですね。

11銀の瞬間、将棋アプリの解説は
「豊島は必殺の筋を放った」

豊島は終盤も妙手を放ち、快勝。
(これで森内の「竜王返り咲き」は消える)

豊島将棋は本当に魅力的です。
是非このまま突っ走ってほしい。

【1月27日追記】
森内前竜王は、この後、1組5位決定戦にまわることになり
そこで勝ち抜いて5位になれば、本戦トーナメントに出場できるので
復位の可能性が全くなくなった訳ではない。
大変失礼しました。
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by kazuo_okawa | 2015-01-22 22:13 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
1月21日大阪地裁は大阪市の行った労組活動アンケートを違法と断じて大阪市らに損害賠償を命じた。

この判決も含め、橋下徹市長がその人気をカサにして、労働組合嫌悪、市職員への蔑視のもと行った蛮行が司法上、ことごとく否定されている。
即ち、大阪市の行った、労働組合事務所を退去させたこと、入れ墨の有無を調査したこと、そして今回の市職員に行った組合活動アンケート調査のそれぞれがいずれも裁判では違法と断ぜられたのである。

結論は、余りにも当然の事であるので、ここで改めて中身については述べない。

それぞれの問題の起こったときに、(私が大阪労働者弁護団代表として)声明などを出しているとおりであるうえ、判決が妥当である。

橋下徹氏は今でこそ人気は落ちたが、当時の人気は凄まじく、入れ墨調査に対する抗議声明を我々が出したときなどは、橋下支持者(?)から逆に、代表である私に対して直接抗議が来たほどである。

しかし、人権は「多数決」で奪うことは出来ない。
いくら人気のある政治家がしたからといって決して人権侵害は許されない。
橋下氏を3連敗させた司法の判断は改めてこの原則を思い起こさせる。

それにしても橋下氏は、弁護士会の処分などに対しては、品位に欠けるほど実に汚い言葉で弁護士会(或いは弁護士総体)に対して口汚くののしってきているが、司法権力に対しては意外なほど殊勝なコメントである。
ここに彼の本性が透けて見える思いがする。
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by kazuo_okawa | 2015-01-22 21:34 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
アマチュア高段者の先輩弁護士と将棋談義をしているときに、お薦め詰将棋集の話になった。
私は意外性あるトリッキーな作品が好きなので、森信雄七段の作品集をお薦めしたのだが、
話していて自分の好みの「偏り」に気づいた。

将棋上達法の一つとして、詰将棋を解くことは広く奨められている。
昨年、豊島将之七段にインタビューさせて頂いたときも
豊島七段は最初は詰将棋を解くのがよいと、奨められた。
書店の将棋本コーナーに行けばその種の詰将棋本は多い。

しかし私の場合は、将棋上達のために詰将棋集を解くというよりも
本格ミステリやマジックへの興味と同じく「意外性」を求めた言わばパズル嗜好に近い。

従って、棋力向上に役立つような「普通」の詰将棋本はほとんど持ってない。

そこで私のお薦め本である。

なんと言っても森信雄七段である。
森七段は、故村山聖八段や糸谷哲朗新竜王の師匠であり名伯楽として有名であるが、
詰将棋作家としても著名で、短手数で難しい作品をよく発表されている。
代表作が「あっと驚く三手詰」「なめたらあかん三手五手」(共に講談社)で、いずれも簡単に解けそうで解けないという大変面白い作品集である。
「スーパートリック」(日本将棋連盟)は詰将棋ではなくて「次の一手」問題であるが、これも意表を突いた問題ばかり。

私はこういう「意外性」が本当に好みなのである。

他に「逃れ将棋」は、「逆詰将棋」で、「詰め」を逃れる一手を見つけるという不思議な問題集。
受け将棋派の方には面白いし、そうでなくても気分転換に面白い。

森七段以外に面白いのは、「カンキの双玉詰将棋傑作選」
関西の「お笑い棋士」であるが、この作品集は油断がならない。
双玉ゆえに、相手玉を詰ますはずが、逆にこちらの玉が先に取られるというようなスリルがある。

以下の作品集は、自ら「解く」というよりも「鑑賞系」です。

まずは「詰むや詰まざるやー将棋無双・将棋図巧」
将棋ファンなら知らない人はないだろう。
伊藤宗看・看寿が江戸幕府に献上した歴史上もっとも著名な詰将棋集である。
故米長邦雄永世棋聖がこの詰将棋を解け、と奨めたことは有名であるが、
それはプロならんとする者への話であり、アマチュアは(高段者は格別)
すぐに解をみて盤上並べてひたすら鑑賞するのが正しい。
(それでも難しい)

ついで「古今詰将棋三百人一局集」(詰将棋パラダイス発行)。
大橋宋桂から内藤国雄、二上達也まで古今東西の詰将棋作者三百人の
一人一局代表作を集めたもの。
これも並べて面白い。

そして、内藤国雄「図式百番」と谷川浩司「月下推敲」である。
(繰り返しますが私には解けません。「鑑賞用」として)必携の著であり、並べて後悔することはない。

「月下推敲」には名手若島正氏の名解説も掲載されている。
そこには内藤「図式百番」にも触れており見事としかいいようがない。

私のように「意外性好み」の皆さんにお薦めする次第です。



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by kazuo_okawa | 2015-01-20 23:20 | 将棋 | Trackback | Comments(0)
去る1月11日、事務所で一仕事終えたあと、Yuji村上師主催のマジック・イベントに参加する。
開催場所が事務所から遠くないのと特別ゲストがルビー天禄師であったので駆けつけた。

ルビー師は大学は違えど、同じ学生時代にマジックに興じ、ディーラー・ショップなど巡り会って知り合った同世代のマジック仲間である。
彼のトークショーで、彼が自らの「個人史」を述べたとき、昔を思い出し、懐かしく聞き入った。

ルビー天禄師は、栄枯盛衰激しい大阪キタ新地で2軒ものマジック店を成功させている。
彼はこのマジックの世界で成功者といえるであろうが、その彼の話が興味深かった。

ルビー師は、大学卒業後、マジックの世界に入る。
ジョニー広瀬師(当時大阪で有名な実力者マジシャン)のもとにつくのであるが、彼は、自分の前に、ジョニー師、そして深井洋正師(後に「深井洋正&キミカ」で世界的に売り出すマジシャン)の実力者がいることから、このままでは自分は勝てない、と思う。
そこでこの世界で名を挙げるにはどうするかを考える。

ここがいい。

実は、成功者は、どの世界であれ、結局は、「日々、どうすべきか考えた」人なのである。

その後の彼の「新地までの道」は省略するが、感心ある人は、是非彼の店を訪れてほしい。
要するに「考えて」築き上げた彼のスタイルを見ることが出来る。

この日の一番のポイントは、このルビー師の話であろう。
ルビー師の話は笑いを交え、聞き手を楽しくさせるものであるが、重要な教訓を含んでいる。

Yuji村上イベントで見せられたマジックそのものは、そのほとんどが何度も見たことのある私にとってはお馴染みのマジックであったが、楽しいイベントでした。
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by kazuo_okawa | 2015-01-19 22:47 | マジック | Trackback | Comments(0)