私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa
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<   2013年 09月 ( 14 )   > この月の画像一覧

我が京都大学推理小説研究会(京大ミス研)出身作家のエース
綾辻行人氏の最新作を読む。

名作「アナザー」の続編、「アナザー・エピソードS」である。
<以下、ネタバレしています>

ホラーであるが、本格である。

「殺された」Sの視点で謎を解くという
言わば、ホラーの自由性を生かした
枠組み設定なのであるが
視点そのものをひっくり返すという
とんでもないトリックなのである。

その結末の意外性には驚かされる。

実は、私自身はホラー小説自体は必ずしも好みではないのだが
綾辻氏の場合は別である。

基本が本格だからである。

結末を知って、再読すると、傍点をふった表現の巧妙さや
ダブル・ミーニング、ダイイング・メッセージなど
作者の企みに感心させられる。

そこかしこに仕掛けられた企みを味わう。

これこそ、本格の醍醐味である。
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by kazuo_okawa | 2013-09-29 20:53 | ミステリ | Trackback | Comments(0)

裁判長、笑顔の補足説明

昨日、大阪高裁で実に画期的な
憲法違反を指摘する判決が出た。

その内容は、先のブログの通りであるが
判決言い渡しの法廷で大変興味深いシーンがあった。

判決の言い渡しは、普通は「主文」という結論だけが読み上げられる。

本件では次の通りである。

「本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする」
これだけである。
控訴したのはこちらだから、これでは負けである。

そして「事実及び理由の朗読は省略します」と
裁判長が述べて、そくさくと退席するのが通常である。

かつての「荒れる法廷」だと、裁判長退席の場面で
絶妙のタイミングで、傍聴席からヤジが飛ぶ。

「裁判長、逃げるのか!」
「理由を言え!」
これが、傍聴のヤジの二大横綱である。

ところがである。
昨日は違いました。

裁判長が、退席せずに、私の方を見て話し出しました。
(私に話しかけたのは、主任の武村弁護士が欠席して
私が一番前の席に座っていたからです)

「理由はあとから読んで頂くとして、
公選法自体は違憲としました」

(内心、おおおっと驚く)

「しかし違法というのは、まあ要するに
熟慮期間が過ぎていない、というわけです」

分かりますね、というように笑顔をうかべられたので 
裁判長に私は軽く頷づいた。

終わって書記官も私に近づく。

「ほらここです。」と何と、判決文を持ってきて
違憲判断のページを示したのである。

まあ、珍しいシーンですね。
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by kazuo_okawa | 2013-09-28 16:49 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)
私の古くからの知り合いである稲垣浩さん(労働組合委員長)が
道交法違反などで、2010年3月から10月にかけて
滋賀刑務所に服役した。
その受刑者である期間中の7月に参議院選挙が行われたのであるが
受刑者に投票が制限されている公職選挙法(公選法)を根拠に
稲垣さんは投票できなかった。

そこで公選法は憲法違反である、として
提訴したのがこの事件である。

私は最初から弁護団に加わりこの訴訟に関わった。

残念ながら一審判決は、全面敗訴。

ところが大阪高裁は、2013年9月27日に、
理由中であるが、受刑者の投票権を一律に制限する
公選法は憲法違反である、としたのである。

裁判そのものは、違憲の公選法であるが、それを廃止する
立法をしなかったからといっても、十分に期が熟していたのに
放置していたというわけでないから、国家賠償法上の違法性は無いとして
損害賠償請求そのものは棄却した。

しかし内容的には実に画期的な判決である。

まず、判決は選挙権が憲法上の基本的な権利であることをのべ
そしてその制限には「やむをえない事由」が必要という。

次ぎに判決はそのやむを得ない事由があるのかを判断する。

まず刑事施設収容中であることに伴う事務的支障はない。
それは国民投票法では受刑者も投票権のあること、
未決収容者にも選挙権のあることからしても、
事務的支障は制限の事由にならない。

受刑者であること自体も制限の理由にならない。
ここで判決は受刑者の収容目的は改善更生であることも指摘する。

更に、一審判決が強調した「情報取得の困難性」についても
判決は明快である。
法が受刑者に情報取得を禁止していないこと、
2005年最高裁判決の事案である在外邦人の場合よりも
国内の受刑者の方が情報提供は容易であること、
仮釈放中の者には「情報取得の困難性」は理由にならない、ことから
結局、これも制限の事由にならない。

そして結論として、公選法は憲法違反だとしたのである。

凄い。

我々からすれば当たり前の判決であったが
実に素晴らしい判決である。
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by kazuo_okawa | 2013-09-28 16:24 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(2)

NHK、映像不可!

昨日、このブログで「10/12集会」の案内をした。

今後の刑事司法のあり方に影響する大きな問題であることから
緊急であるが、私もその準備に奔走してきた。
ようやく主催も含め概要が整い、
チラシも完成し、私も及ばずながら、
昨日、緊急にブログに書いたのである。

しかも、発端となった、「かんさい、熱視線」の番組の映像の放映については
早くから、著作権料さえ払え、ばオーケイとのNHKの了承も得ていた。

ところがである。

なんと,NHKとの交渉担当者から、26日、
「映像は使用できないことになりました。」との連絡を受けた。
その理由は
「取材するに当たって、番組報道ということで取材対象者から了承を得ている以上、
それ以外の利用目的の場合は、取材対象者から再度了承を得る必要がある」という。

集会を直前に控えたこの時期に、
何故か!という驚きを禁じ得ない。
こんなことなら、何故、もっと早くそう言って頂けないのか。

時間的余裕があれば、
取材対象者の了解はこちらでとることも出来たかもしれない。
今、何故この時期なのか。

わが交渉担当者も
「 個人的には、このタイミングなので、『クローズアップ現代』と翌日の新聞報道が影響しているのではないかと勘ぐっているのですが、そこは否定されていました。」という。

しかし,NHKの理屈なら、了承を得た部分だけの
「一部放映」でもいいはずである。

担当者には、再度の交渉をお願いしているが、どうなるか分からない。

昨日、NHKの映像放映を前提に、
集会の案内をした以上,NHK映像については
変わりうる可能性を予めお知らせする次第です。

NHKの姿勢がどうなるか。
いずれにぜよ、当日、その経過はお知らせします。
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by kazuo_okawa | 2013-09-27 00:56 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)

祈りの幕が下りる時

東野圭吾「祈りの幕が下りる時」を読む。

脱帽である。

<以下、ネタバレしています>

読者を引き込む技術は相変わらず見事であり、
何よりも警察の聞き込みの部分は読んでいて感心する。
中盤から終盤へかけての展開も見事であり、
トリックや読後感も良い。

しかも読み終えてみれば、「愛するものの為に陰から支える」という
東野ミステリの別作を思わす。

しかし何よりも「赤い指」同様、
加賀の生活をもう一つの柱としていることが重要である。
無論、ヒロインと加賀を結びつけるのはいささか強引な気もしないではないが
それに有り余る面白さである。

作者は、もう1人のシリーズキャラクター・ガリレオ湯川には生活臭は出させず
その一方、加賀には、家庭や生活を出していく方針に
違いない。

その意味では、加賀は将来、結婚するのであろう。
本作は、その点でも暗示的である。
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by kazuo_okawa | 2013-09-26 00:32 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
今、検察の反撃が凄い。

現職検事がとんでもない証拠捏造を行った「村木事件」以降
本来は「検察改革」が望まれたはずだった。
しかし現実はそうはなっていない。
それどころか、頑張る弁護士への、「懲戒」申立てなど
萎縮効果をねらった攻撃が始まっている。

その「危機感」から緊急シンポジウムを企画した。
本日、ようやく、主催その他の骨子が決まった。

緊急であるためどれだけ集まるか予測が立たない。
しかし、問題の重要性に鑑み是非1人でも多くお集まり頂きたい。
私も、コーディネーターとして参加する予定です。

また、検察が問題にしたNHKの番組「かんさい、熱視線」も
NHKの了解を得て、その映像を流します。
どうぞその目で内容を見てください。

緊急ですがどうぞお集まりください。

<以下は本日確定したチラシからの引用です>

日時:2013年10月12日(土)午後1時半から4時半(午後1時開場)
場所:天満研修センター(大阪環状線天満駅から徒歩2分)
費用:無料(どなたでもご自由に参加いただけます)

当日の予定
基調報告   弁護士           山 口 健 一 氏
映像紹介   “虚偽自白”取調室で何が  (NHK「かんさい熱視線」より)
ディスカッション   ジャーナリスト       大 谷 昭 宏 氏(パネリスト)
           元裁判官・元法政大学教授  木 谷   明 氏(パネリスト)
           弁護士           寺 田 有美子 氏(パネリスト)
           弁護士           大 川 一 夫 氏(進行)

シンポの趣旨
最近、ある弁護士が被疑者の取調べ状況を録画した映像をNHKの番組に提供したところ、証拠の目的外使用を理由に、大阪地検が懲戒請求を申し立てました。番組は、密室での取調べで虚偽自白が取られることの問題性を指摘する内容でした。
弁護士会では、以前から、取調べにおける全面可視化(録画録音)を強く主張してきましたが、郵便不正事件で無罪となった村木厚子さんの事件で不当な取調べが行われたことから、現在、政府も取調べの可視化を議論せざるを得なくなりました。ところが、取調官の裁量により可視化を決定できるようにするなど、取調べの全面可視化どころか、むしろ後退する方向にあります。
しかし、取調べの全面可視化は、当事者の言い分を正しく記録し、正当な判決を導くために必要であり、全面可視化をどうしても実現しなければならないと考えます。
また、刑事裁判の証拠が、営利目的のために使用されてならないのは当然であるとしても、弁護士として活動する上で、刑事裁判以外の場面でも証拠を使用する必要のある場合があり得ます。したがって、証拠の目的外使用を理由に、事件以外には一切使用できないとすることは、弁護士の正当な活動が必要以上に規制され、さらには刑事裁判の適正化や国民の知る権利という観点からしても極めて不当だと私たちは考えます。
 このような考えから、私たちは、取調べの全面可視化の必要性・有用性や証拠の目的外使用の問題点について、改めて検討するために今回のシンポジウムを企画しました。
是非とも多くの皆さんの参加を期待しています。
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by kazuo_okawa | 2013-09-25 23:46 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)

特定秘密法案に反対する

本日、近畿弁護士会連合大会に出る。

大会では、特定秘密の保護に関する法律案に反対する決議が
満場一致で採択された。
当然の決議である。

本法案は、秘密の範囲が極めて広くなっており
しかも、特定秘密の指定は行政機関の庁のみの判断で行われ
第三者のチェックも想定されていない。

言い換えれば政府にとって都合の悪い事項
本来、国民に知らされるべき事項が
隠されてしまう可能性がある。

例えば、原発汚染水情報、外交密約情報、警察裏金情報などが
隠されてしまえばどうなるか。

そしてその秘密に近づけば罰則を受ける。
これでは民主社会とは到底いえないであろう。

傑作なのは、法律の中で
「国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあっては
ならない」と規定するという点である。

人権侵害をしてはならないのは、言わば、当たり前であり
わざわざ書くようなことではない。
こんなことを規定せざるをえないこと自体、人権侵害の危険性を
認めているものとしか思えない。

この点につき、会場発言が面白かった。

兵庫の弁護士曰く、
「危険物には、『危険物』と書くべきである。
『危険ではありません』と書いたからと言って
危険物でなくなるわけがない」

うまい比喩である。

危険物である「特定秘密法案」は
廃案にするしかないい。
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by kazuo_okawa | 2013-09-20 16:45 | 情報・プライバシー | Trackback | Comments(0)
本来は、タイトルを「東野圭吾『祈りの幕が下りる時』を読む」
とすべきだが、実はまだ読み終えていない。

(以下、ネタバレしています)
読み終えていないのに「ネタバレ」とは何かと思われるかもしれませんが
悪いクセで、本を買うとついぱらぱら読んでしまいます。

仕事など、他に優先すべきことがあるため、実際は本の購読を
中断することが多く、そして本作も現に中断しているのですが、
正直なところ、本書17頁目で心地よい衝撃を受けました。

なんと、東野圭吾のシリーズキャラクターである
「加賀恭一郎」の名前が出てくるのである。

購入したとき「加賀モノ」とは全く思わなかったので、ここは驚きでした。

ところが、である。

本日たまたま見かけたとある本屋さんは、本屋の入り口に、
東野圭吾「加賀シリーズ」最新作、と
勝手に大きく書いて、宣伝しているのである。

これはいかんでしょう。

そもそも、今回の新作は、本の帯が二重になっているという
極めて凝った作りになっている。
つまり帯が二枚重ねられているのである。

一枚目の帯には「東野圭吾という名の謎」
「2013年エンターテインメント界最大のサプライズ」であり
その帯をめくって出てくる二枚目の帯には
「悲劇なんかじゃない これが私の人生
東野圭吾全身全霊の挑戦」などが書かれている。

要するに、加賀シリーズとはどこにも書いていない。

出版社としては、「加賀シリーズ最新作」という
キャッチフレーズは、極めて誘惑的な
謳い文句である。
にもかかわらずそれをしなかった。

とすればこれも作者のねらいであろう。

現に冒頭17頁目に私は心地よい驚きを得たのである。

作者の意向を無視して、その驚きを勝手に奪ってはいけない。

本格ミステリのルールである。
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by kazuo_okawa | 2013-09-20 00:41 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
豊中人権まちづくりセンターの依頼で
本日、タイトルの通りの講演を行った。

水俣病の公式発見(1956年)以来、57年目になるが
水俣病問題は、今なお解決しない。
私自身も弁護士になって以来、現在までずっと関わっている。

その57年の歴史を語るにはとうてい2時間では足らない。
改めて問題の深さを思う。

そしてここまで長くしたのは
国の責任である。

私たちが関わった2004年最高裁判決は
1959年末以降、国は、チッソの排水を規制する義務があったのに
それをしなかった、として国の責任を認めた。

では実際の歴史はどうだったか。

チッソは責任逃れをしたまま、インチキのサイクレーターを作って
あたかも汚染水は流れず水俣病は収束したかのごとく装ったが
(実際はウソであり)、一方、国もチッソの排水を規制せず、
毒物垂れ流しをその後も容認したのである。

その結果、被害は拡大した。

そんな国は、1995年には全国的に裁判が
行われている中、和解・収束を目指す。
我々関西訴訟をのぞく、全国の訴訟は、その収束路線に応じて
一斉に和解して終了した。

このときの和解は、患者への補償金はきわめて低額でありながら
一方で患者への保証金とは別に「団体加算金」という名の巨額マネーが動いている。
言わば「口封じマネー」である。

この巨額マネー路線に乗った方も乗った方であるが、
一番悪いのは国だろう。

講演しながら改めて国の責任を思った次第である。

熱心に聞いて頂いた参加者の皆さんに感謝します。
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by kazuo_okawa | 2013-09-19 23:56 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)
9月17日付の日経新聞に
「国民投票、18歳以上確定へ」
「自公、改正案を来月提出」
「改憲へ環境整備」
という見出しとともに
憲法改正に必要な国民投票の
対象を「18歳以上」にするという記事が出ている。

私は、自民党の改憲には真っ向から反対である。

しかも、改憲のハードルを下げる(つまり
改憲条項規定だけを選考して改正する)という
手法にも反対である。

これらの問題点はこれまでもブログに書いた。

問題は、自公案の「18歳以上」は
民法の成人年齢など他の分野は現行規定のままであり
改憲のための国民投票だけを対象とすることである。

しかもその理由に驚かされる。

記事によれば、成人年齢の引き下げは時期尚早であり
「例えば、18歳でも親の同意なしにローン契約を結べるようになると
若者に不正契約の被害が広がる」からだという。

若者を馬鹿にしているとしか思えない。

18歳であれ、20歳であれ、消費者被害にあう者は少なからずいる。
しかしそれらはきちんとした消費者教育などを行うことによって防げるのである。

20歳に比べて18歳がだまされやすいということは決してない。
にもかかわらず、自公はあたかも18歳ではだまされやすい
と意味するがごとく、述べているのである。

そしてこのことが一番、悪質である。

よく考えてほしい。
自公は、18歳では、だまされやすい、と見ているのである。
それゆえ、一般に成人年齢を18歳にすることはしないと述べているのである。

では何故、憲法改正のための国民投票法だけを、18歳以上、としたのか。

先の自公の論理を貫けば「騙されやすい」18歳以上を投票対象者とすれば、
自公に有利と考えたからであろう。

「騙されやすい。」と見られている。
これほど馬鹿にしたことはあるまい。

若者よ、是非騙されないでほしい。
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by kazuo_okawa | 2013-09-18 01:50 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)