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by kazuo_okawa

カテゴリ:本・書物( 45 )

その帯の文句は「警察が何でもできる時代がきた」である。
そのものずばり、現在の警察の本質を表していると同時に、そして怖い。

筆者の原田宏二氏は元北海道警察所属であり、道警本部長までのぼりつめられた方であるが、その後「警察裏金」を知ってその不正を内部告発した人である。
まさしくただ者ではない。
原田氏はその後、道警はやめざる得なくなったが、退職後、警察の健全化、透明化、民主化のために活動されており、私の龍谷大学の講義「裁判と人権」に特別ゲストに来て貰ったこともある。

その原田氏の新著(講談社現代新書)である。

内容は、現行の警察捜査、即ち自白偏重主義と取調の実態、違法すれすれのグレーゾーン捜査が明らかにされ、刑事訴訟法「改正」の問題点を示される。
これらは経験者ならではの説得力がある。
そして、いわゆる市民警察部門の力の低下と、公安警察が息を吹き返すことなど、警察の変容が語られる。

マスコミの問題点も指摘し、そして何よりも注目すべきは、「市民のためのガイドライン」であり、これが面白い。
一例を挙げれば、
「交番は道案内くらいしかできないことを知っておく」
「盗難被害は回復できないと覚悟した方がいい」
「民事がらみの告訴は受理しないことが多い」
「(職務質問)基本的に応じる必要がない」
「事実は隠蔽され警察は謝罪しないものと考えたほうがよい」
などなど幾つも市民として知っておくべきガイドラインが挙げられている。

本書を、全ての方にお薦めしたい。



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by kazuo_okawa | 2016-01-27 22:44 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
連れ合いに教えてもらった。
いわゆる「女性誌」にLEEという月刊誌があり、その最新号(2月号)に興味深い記事があるという。

それは、「2016夏 参院選 もしあなたが投票に行かなかったら」という記事である。

内容は、「投票したい人がいない」「どうせ変わらない」と思って棄権したのでは、「いない人」と同じであり、それはよくないという。
今、若者の投票率は低い。
政治家は、投票している層を意識するから、若者が投票せず、高齢者が投票するなら、どうしても高齢者を意識した施策になる。
もしも若者の投票率が高ければ若者は無視できないことになる。
だから、何よりも投票率を上げること自体も意味があると指摘する。

そして、今の大きな争点「安保法制・9条改憲」「マイナンバー」「消費税10%に増税」についてコンパクトに問題点を指摘している。

「安保法制・9条改憲」では、現行憲法の下での集団的自衛権の行使は違憲では。行使するなら、9条を改憲すべきです、とまとめる。

「マイナンバー」では、完璧なセキュリティはなく常に漏洩のリスクがあります。色々な書類にマイナンバーを書かなくても罰則はありません。マイナンバーを使いたくないという声が大きくなれば、今後の運用の仕方も変わるはず、とまとめる。

「消費税10%に増税」も、2017年4月の増税の延期を望ましいとしている。

なかなか素晴らしい内容である。

安保法反対などの講演に行くと、よく「反対のために何をしたらいいですか?」と聞かれることが少なくない。
今日の講演の感想を広めた頂くだけでも大きい、と答えるのだが,LEEのような記事が出ているときは、これを購入し(購入するのが重要です)、周りに進めて頂く、これが大きい。
こういう記事が売れるとなれば、他社もならって同様の記事を書くだろうからです。

LEE、素晴らしい。
是非広めてください。
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by kazuo_okawa | 2016-01-18 20:17 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
「永続敗戦論」で名を馳せた、白井聡氏の新著である。
週刊金曜日の、同名の連載などをまとめたものだが、まとめて読み直して、戦後の意味や安倍政権の意味などが大変良く分かる。

週刊金曜日の連載中も刺激的で、共感し、意を強くすることが多かった。
改めて読み直して、白井氏の指摘の鋭さに感心する。
さすがに気鋭の学者である。

本書の「序に代えて」がいい。

マルクスの「一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という有名なフレーズを引用し、現代の日本が、「二度目の喜劇」に進んでいることを指し示す。
原発被害の二度目、安倍政権の二度目、これらを「喜劇」と断ずるのが本質をついていい。

二度目の「喜劇」を、白井氏は「茶番」と訳しているが、こちらの方がより的確だろう。

二度目の安倍政権は「茶番」でしかない。

是非とも、広く、多くの人に読んで頂きたい。
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by kazuo_okawa | 2015-10-20 21:54 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
言語学者の永井忠孝氏「英語の害毒」(新潮新書)の新著である。

かつて本多勝一氏が、「英語帝国主義」を訴えていた。

日本語は、万進法(4桁区切り)なのに、例えば「2,015」のように3桁区切りして英語式にしたり、「姓名」の日本語順を、ローマ字にするときわざわざ「名姓」とひっくり返す。
もはやこれ自体、日本人・日本語の精神を失っている。
本多氏の指摘に、私は大いに共感しているのだが、本書はそれをまとめた本と言える。

日本人の多くは英語を必須能力と捉えている。
書店に並ぶ英会話本や、欧米で英語でやたら演説したがる安倍首相の通り(とはいえ彼はアジアでは日本語だが)、英語コンプレックスとしか思えなくらいに英語だらけである。
しかも英会話重視の教育はさらに低年齢化し、「日本語禁止」の企業まで登場する始末である。
恥ずかしいとしか言いようがない。

それが「自発的な植民地化」への道であることに気付いていない。

本書では、気鋭の言語学者がデータに基づき英語の脅威を徹底的に検証する。
「企業は新人に英語力など求めていない」
「アジアなまりの英語(ジャプリッシュ)こそ世界で通用する」等、貴重な指摘もある。

安倍首相のような英語帝国主義にならないためにも、
本書を広くお薦めしたい。
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by kazuo_okawa | 2015-09-28 23:14 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
9月26日に下記の通りの集会を行う。

辻恵さんは親しくさせて頂いている弁護士である。
大谷昭宏さんは弁護士関係の集会で何度もお会いしているジャーナリストであり、とある政党誌の連載は私自身毎回楽しみにしている。
残るパネリストは小林節氏。

同氏は慶應義塾大学名誉教授であり、長谷部恭男氏、木村草太氏と並んで、この間の安保法案の問題点を指摘すべくもっとも活躍された憲法学者の一人である。

私は下記の通り、26日のシンポジウムの司会をする。
そのため出来る限りパネリストの考え方を知っておくべく小林氏の著作を勉強しておく。
もともと「白熱講義!集団的自衛権」(ベスト新書)は読ませて頂いていたが、今回新たに表題の「憲法改正の覚悟はあるか」(KKベストセラーズ)を購入して読むが、これが実に面白い。
いやあ、冗談抜きに面白いのである。

自民党議員がいかに前近代的で、そもそも憲法とは何かを分かっていないか。
それを小林教授の体験や自民党改憲草案から導き出して明快に批判する。

一例を挙げれば、自民党改憲草案は「法」と「道徳」を混同し、次のような憲法案がある。
「婚姻は(略)相互の協力により維持されなければならない」
憲法の条文に道徳的表現を入れること自体が根本的に誤りであるが、そもそも何で憲法に「婚姻の維持」が唄われなければならないのか。
もしも自民党改憲草案が実現すれば「離婚が犯罪になる日」があり得ることを小林教授は指摘する。

或いは、現行憲法の「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」とあるのを自民党改憲草案はこの「絶対に」をはずす。
「絶対に」があれば、例外なく許されない。
しかし、「絶対に」をはずすと例外を許すことになる。
つまり「公益」のために、拷問及び残虐な刑罰を認めるわけである。

小林教授は、「自民党の人権感覚には私は不安を覚えずにはいられない」という。

そのとんでもない人権感覚自民党のトップが安倍首相。
小林教授は安倍首相の、答弁のすり替えや、信用出来ない(つまり嘘)の発言も的確に紹介する。

先に、面白いと書いたが、実際は、実に恐ろしい状態である。

この小林教授の著書を広くお薦めしたい。

そして宣伝が十分にまにあっていませんが、お時間があれば、是非下記の集会にご参集下さい。



日時 2015年9月26日(土)15時~17時
場所 御堂会館・南5階ホール
    地下鉄御堂筋線本町駅すぐ
名称 「戦争と憲法を考えるシンポジウム」
出演  小林節(慶応義塾大学名誉教授・憲法学者)
    辻恵(元衆議院議員・弁護士)
    大谷昭宏(ジャーナリスト)
司会 大川一夫(弁護士)
主催 「オール関西 平和と共生」(代表 辻 恵)
参加費(資料代)1000円

【9月26日追記】
上記集会は、宣伝期間が不十分であったにもかかわらず、定員を超える立ち見もでる盛況であった。
おそらく小林節教授の人気であろう。
大谷さんの、大阪風のつっこみを入れながら本質を指摘する話はいつもながら面白い。
小林教授は、安倍ナチズム政権を倒すために連携することの重要性をこれまた鋭く、且つ笑いを取りながら、話をされる。
実際、なかなか魅力的な憲法教授であった。
そして辻弁護士は「平和と共生」の意義を力強く訴える。
熱心に聞いて頂いた参加者の感想に、私の司会も含めて、面白かった、といって頂けたのは嬉しい。
また、参加者のアンケートで、私のブログを見て参加されたとの回答もあった。
お礼申し上げます。
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by kazuo_okawa | 2015-09-26 01:00 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
広瀬隆氏の新著である。
広瀬氏といえば、反原発の立場から「東京に原発を」「ジョン・ウエィンはなぜ死んだか」など数々の名著を発刊されてきた。

2011年フクシマ原発被害のあと、本来なら反原発の旗手である広瀬氏こそ色々と登場してしかるべきであった。
しかし実際は、テレビを始め大手マスコミは広瀬氏を使わなかった。
それは、政府に取って都合の悪い真実を、広瀬氏があまりにも正しく言い当ててきたからだろう。

彼の凄さは、2011年フクシマ原発被害の生ずる前に、地震や火山の噴火の頻発から大地震を予言していたことだ。

本書は、彼のこれまでの著をまとめたものとも言える。

怖いのは「ジョン・ウエィンはなぜ死んだか」でも書かれたが、西部劇のハリウッドスターがいずれも癌で死亡しているという事実である。
ゲイリー・クーパー、ロバート・テイラー、エドワード・ロビンソン、ジョン・フォード、ジョン・ウエィン、スティーヴ・マックィーン、ヘンリー・フォンダなど何十人もの俳優が癌で死亡している。

それはアメリカがネバダ州で核実験を行い、その隣のユタ州で、ハリウッドスターは西部劇の撮影をしたからである。
重要なのは、核実験は1953年、ハリウッドスターのユタ州における映画ロケは1954年でこのときは核実験は行われていないという。
にもかかわらず、30年後までに,ハリウッドスターは癌で死亡しているという。

本書の凄いのはそのネバダ、ユタ、アリゾナの3州の地図を同じ縮尺で日本地図と並べていることだ。

そして、東京を含む現在の東日本全域が、このネバダ、ユタ、アリゾナとほとんど同じ条件下であることが示される。
とすれば、東日本全域にすむ人はハリウッドスターと同じ運命をたどることになる。

フクシマの救済もままならないこの国で、川内原発再稼働などあり得ない話である。

本書を強くお薦めしたい。
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by kazuo_okawa | 2015-09-11 23:25 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
今、売れっ子の学者白井聡氏のベストセラー「永続敗戦論」をマンガ化した著である。

永続敗戦論は、戦後日本は第二次世界大戦の責任を、敗戦を終戦と言い換えるなどして、きちんと総括せず、むしろ戦後アメリカの政策転換即ち反共産主義のもと、敗戦を否認し、他方アメリカには従属するという方針をとったことが全ての誤りであるということを指摘した著である。
「永続敗戦」という言葉を使ったところが素晴らしい。

マンガといっても侮ってはいけない。
白井氏のエッセンスが分かりやすく述べられている。

私は、4月18日「大阪市解体No!市民集会」に、いわゆる大阪都構想に反対する集会にパネリストの一人として参加した。司会は親しくさせて頂いている辻恵弁護士、他のパネリストは大谷昭宏さん、薬師院仁志帝塚山学院大学教授、そして白井聡京都精華大学准教授であった。
白井氏と会ったのはこの日が初めてであったが、さすがに新進気鋭の学者である。
鋭い指摘に感心したものである。

その白井氏の最新作。
マンガという手法をとることによって、広く読まれることを期待したに違いない。

是非とも読んでほしい書物である。
広くお薦めしたい。
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by kazuo_okawa | 2015-08-18 21:50 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
本多勝一氏の新著である。
と言ってもすでに2ヶ月経っているが…。

本書を紹介しようと思ったのは、8月15日の戦争特集番組を見ていても、中立的な「戦争」の用語が使われていることである。
安倍首相により、いわゆる「戦争法案」が成立しようとしているとき、それだからこそ「戦争」の悲惨さを伝える特集をするのは間違っていない。
むしろ「良心的」な取り組みと言えるだろう。

しかしその責任が不明確な「戦争」という表現は正しくない。
その点、本多氏は明快である。
即ち、先の大戦は「アジアへの侵略」と「欧米同士(侵略国家同士)の喧嘩」の両者が存し、この二つを混同してはならない、という。

実際、しばしアジアへの「侵略」の視点が抜け落ちている。

そして、貧困なる精神26集は、2004年12月の本多氏による、小沢一郎氏へのインタビューの再録。
小沢氏が、自衛隊の海外派兵に反対し、立憲主義を守り、靖国神社参拝に反対するなど、インタビュアー本多氏自身「正直な話、かなりの基本的な認識で小沢氏と共通するとは意外だった」と述べている。
そして今回の発行に当たって、小沢氏に問い合わせたところ、今も考えは変わらないという。

本作を是非お薦めしたい。
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by kazuo_okawa | 2015-08-17 21:17 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
佐高信氏の新著である。
8月15日の新聞(朝日、毎日で同じように出ていた)の宣伝で知り購入する。

今日、平和の党を標榜している公明党が、自民党の補完政党として、自民党と一緒になって「戦争法案」を成立させようとしている。
無論、創価学会員の一部反逆もないではないがそういう声はいまだ主流になっていない。
そこで急遽発刊されたに違いない。

一言で言えば、平和の党なら、戦争法案を止めよ、と言うことだろう。

内容はこれまで、週刊金曜日などで発表されたものを中心にしてまとめたものだが、今読み返しても、公明党、創価学会の役割が分かる。
佐高節ではっきりと言い切るのがいい。

やや古い話題もあるが、公明党・創価学会の本質は変わっていまい。
新書であるので読みやすい。
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by kazuo_okawa | 2015-08-16 21:58 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)
左右社から発行された表題の佐藤教授の新著を読む。

帯のキャッチフレーズにあるとおり、
「それは押しつけでなく、復活だった」というのが良い。

とかく自民党は、現行憲法をアメリカの「押しつけ」という。
しかし、現行憲法の示す内容(精神)は戦後初めて出来上がったのではない。
むしろ、歴史的に人類が格闘して成立した立憲主義を表している。
「大正デモクラシー」が進み、明治天皇下のときですら、その「統帥権」に枠をはめようとしていた。

しかし、そのような「立憲主義」は軍国主義と共につぶされる。
しかし戦後日本は人権尊重をうたったポツダム宣言を受け入れ、平和的共存を目指す世界の舞台に戻ったのである。

そうであれば、現憲法は再び立憲主義が復活したわけである。

東大における講義録であり、読みやすい。
安倍首相の、憲法無視のクーデターが進む中、広くお薦めしたい。
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by kazuo_okawa | 2015-08-03 21:30 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)