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by kazuo_okawa

2017年 05月 11日 ( 1 )

謎を楽しむ上品さ

5月10日の日経新聞の文化欄に高島直昭氏の「どう作る?不可能物体」という興味深い随筆が出ている。

不可能物体とは、コーラの瓶に刺さった木の矢のように、一見作るのが不可能に思えるが実は人為的に作られた物体をさす。
まあ、立体パズルのようなものであり、出来上がった作品は見ているだけで不思議である。

5円玉に突き刺さった木の矢などは有名で商品にもされている。
5円玉の穴よりも、矢の先の部分は大きく、また尻尾の羽の部分も大きく、胴にあたる部分が穴に入っているが、どうして入れたのか本当に不思議である。

高島氏はその分野のマニアである。
高島氏はこの不可能物体の魅力とともに、「答えを言わない」ことが不文律と述べる。
つまり、自分なりの「正解」を探るのがこのジャンルのルールであり、またそれが楽しみなのである。

そしてその高島氏にしてすら、正解らしきものにたどり着くのは約3分の1だというから、この世界の難しさ、奥深さを感ずる。
つまり約3分の2は、謎のままなのである。

高島氏が上品なのはこの「謎を謎のまま楽しむ」という姿勢が出ているからだ。

私は、これまでのブログにも書いたが、簡単にマジックの種明かしをする風潮には不快感を覚えている。
同じように、不可能物体を、自らの頭を使って深く考えようともせず、ネットなどで簡単に種明かしを求める風潮も嘆かわしく思っている。
謎を楽しむジャンルであるのに、簡単にネットで答えを求める。
その姿勢自体を恥ずかしいいと思わないのだろうか。
無論、答える方も答える方である。

高島氏のように謎を謎として楽しみ、そして考える。

これこそが上品の極みである。



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by kazuo_okawa | 2017-05-11 22:47 | パズル・統計・数学 | Trackback | Comments(0)