第89期棋聖戦挑戦者決定戦に進出したのは三浦弘行九段と豊島将之八段。
5月1日、その決定戦を、豊島八段が制した。
終盤は見ていて実にスリリングであり、豊島八段の踏み込みが観戦していて実に気持ち良い。
Abama解説西尾明六段が「これが豊島さんなんですよ!」と解説する。
山口恵梨子女流二段が聞き手の時には「王手飛車」の筋が出てくるというのは、「見る将」ファンにはお馴染みの「お約束」なのであるが、本局も最終盤に三浦九段の「王手龍」の筋があるのに驚かされる。
無論、豊島八段がそんな筋に引っかかるわけはないが…。
豊島八段は、昨夏以来、レーティング一位の最強棋士である。
王将戦挑戦、名人戦挑戦者プレイオフ3連勝など活躍が素晴らしいが、残念ながら、ハードスケジュールも相まって結果には結びついていない。
しかしこれほどの実力故、必ずタイトルは奪取するに違いない。
王位戦リーグ戦でもトップを走っており、おそらく、羽生竜王と挑戦者決定戦となるだろう。
竜王戦一組でも決勝に進出した。
いずれも楽しみである。
そして棋聖戦。
タイトル・ホルダーは言わずと知れた羽生竜王。
相手にとって不足はない。
シリーズが今から大いに楽しみである。
【追記】
Abemaの行方八段と山口女流の初手から振り返り解説で、王手飛車のことを話題にしていた。
角替わりが増えたのと、玉が居玉で闘うことが増えてきたことから、最近は王手飛車の筋が増えてきたという。
なるほど、現代将棋ゆえの必然なのか。
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