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by kazuo_okawa

佐藤天彦「理想を現実にする力」

昨年、絶対王者羽生を破って名人についた佐藤天彦の新著である。
読みやすく一気に読んでしまった。

名人になる棋士は違うものだ、とつくづく思う。
標題の通り、理想を描いていること自体が、シンプルでありながらなかなか出来るものではない。

ジャンルは違ってもその道の超一流の人物が書いた著は、時に人生の指南書として読まれることは少なくない。

佐藤天彦名人は、始まりがあり終わりがあるという意味で将棋は人生に例えられるが、将棋の技術をそのまま生かせるほど人生は甘くない、という。
そして、いやしかし、人間が死力を尽くして考えていること実行していることは決して馬鹿にしたものでない、と続けるのである。
そこには、ある種の謙虚さと自信が伺える。

また佐藤天彦の勉強方法として、過去の偉大な棋士の棋譜並べをしたことを述べる。
こういう勉強法は、時間もかかり最先端の流行形の勉強とは離れるが、「目先の勝利にとらわれず、長期的な視点を持つ」ことの重要性をとく。
無論、この「長期的視点」は理屈ではわかっても、実行するのは難しいだろう。
それを続けた佐藤天彦が素晴らしいのである。

続けられた佐藤天彦の信条は「自分の努力のリターンは求めない」である。
また「自分を責めない」ともいう。

佐藤は基本哲学として「自分を責めない」とのべ、アインシュタインの言葉を引く。
「どんなときも自分を責める必要はない、必要なときに他人が責めてくれるから」

ここに、自分を責めないスタイルで、そうでいながら、リターンを求めずに努力を続ける佐藤天彦像が伺える。

だからこそ選ばれし名人となったのだろう。


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by kazuo_okawa | 2017-04-18 22:15 | 将棋 | Trackback | Comments(0)