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by kazuo_okawa

綾辻行人「人間じゃない」をお薦めする!

京大ミステリ研出身作家綾辻行人氏の新著である。
帯文句「異形のミステリ」の通り、綾辻行人タッチである。
以下、私の感想である。

【ネタバレしていますので、未読の方は注意して下さい】

「赤いマント」。
<木の葉は森に隠せ>トリックであるが、これは騙される。活字を追いかけているとこのトリックにはまず思いつかない。
「崩壊の前日」。
無気味な読後感である。
私は、星新一氏の著名なショートを思い出した。題名もいい。
「洗礼」。
なかなか面白いテーマである。冒頭にさらっと出てくる「ミステリ論」は懐かしい。
「作中作」は、難しいテーマであるが、マニアには興味深い。
そしてラスト。まさしく「洗礼」である。
私にとっては嬉しい作品である。
「蒼白い女」。
最後が無気味なエンディングである。
「人間じゃない」。
漫画だからこそ成り立つ仕掛け、で且つ密室、でありながら、エンディングはホラーである。しかし、表題も含め、伏線がきちんと書かれているのが綾辻調である。

発表時の違う落ち穂拾い的作品集であるが、通して読むと綾辻調である。

今年は「新本格誕生30周年」
いまや「現代本格」と称すべきだが、綾辻ファンは無論のこと現代本格ファンにお勧めする。
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by kazuo_okawa | 2017-03-12 20:51 | ミステリ | Trackback | Comments(0)