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by kazuo_okawa

「国家による殺人」を許さない!

2016年の日弁連人権大会で最大の注目を集めていた「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」が大議論の末、採択された。
死刑制度廃止の理由は「死刑制度は生命を剥奪する刑罰で国家による重大、深刻な人権侵害」というのが基本的な考えである。
死刑確定事件の再審無罪事件の例が示すように、「冤罪(えんざい)で死刑が執行されれば取り返しがつかない」ことや「国際社会のすう勢」も根拠たる。

賛否約3時間の議論を聞いたが、口調の激しい意見も多く、また、ヤジや怒号も飛び交う近時まれに見る激論であった。

採決には弁護士786人が参加。犯罪被害者支援に取り組む弁護士らから反対意見が出たが、半数を超える546人が賛成、反対96人、棄権144人である。
棄権がこんなにも多いのは過去に経験がない。
それほど難しい、ということだろう。

棄権が予想以上に多かったのは、この犯罪被害支援弁護士の熱い意見を聞いて、もう少し互いの議論を深めた方がよい、と思ったからに違いない。

犯罪被害者支援に取り組む弁護士から繰り返し出たのが「遺族感情」である。
弁護士として依頼を受けた事件で依頼者の為にベストを尽くすのは当然である。
その依頼者が犯罪被害者であり、その遺族が「死刑」を望めば全力を挙げてその実現を目指すべきだろう。私だってそうする。
それが弁護士というものである。

しかしそのことと刑罰制度としてどのようにするのが良いのか、そして日弁連としてどう宣言するかは別問題である。
「いかなる理由であれ、生命は奪わない」
「国家による殺人は認めない」
私はそうあるべきと思う。

とはいえ日弁連は「被害者の人権」にも取り組むべきであろうことは言うまでもない。
たまたま会場での私の座席の配置上、犯罪被害者支援の弁護士の方と会話し、名刺交換が出来たのは貴重であった。
一年に一度の人権大会であるが、同じ法律家同士として、こういう体験が嬉しい。

今年の人権大会の別の決議案は、立憲主義・民主主義の回復を求める決議であるが、そこには平和主義を守るということも決議の内容として含まれている。
9条を守る、平和主義を守るということは、「戦争という国家の殺人を認めない」と言うことである。
一見違う決議案であるが、実は連動している。
今年の人権大会は、実に意義深い。



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by kazuo_okawa | 2016-10-09 00:20 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)