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by kazuo_okawa
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死刑廃止と拘禁刑の改革を考える~寛容と共生の社会を目指して

10月6日のシンポジウム。
第1分科会の岸井氏の講演とザ・ニュースペーパーのコントを見た後、すぐに第3分科会へ駆けつける。
表題が第3分科会のテーマである。
そして本人権大会の大きなテーマの一つでもある「死刑制度の廃止」。
予定では、日弁連が7日の大会で「死刑制度廃止宣言」を行う予定である。
おそらく議論を呼ぶであろうその前日のシンポジウムである。

第3分科会会場に駆けつけると、丁度、ウィリアム・A・シャパス氏の講演が始まるところであった。
氏は、ロンドン・ミドルセックス大学教授であり、死刑の現状についての専門家である。

氏の講演は「世界的な死刑廃止と拘禁刑改革の流れ」。
氏はまずデータを次々と述べる。
1974年には死刑廃止国はわずか20ケ国でしかなかったが、2015年には廃止国は160ケ国である。
このペースで行けば、10~15年後にはゼロになる。
これはグリーンランドの氷が溶けるのと同じように明らかだという。

世界的に見ても、アメリカ大陸はキューバも死刑廃止したように、ほとんど廃止。
アメリカは存置国だが、今、最高裁判事8人のうち、4人は廃止論者だと言う。
大統領選後、9人目の判事が選ばれることになっており、誰になるのか注目されるが、早晩、死刑違憲判決が出るだろうという。

ヨーロッパは、存置はベラルーシくらい。
アフリカもほぼ廃止。
アジアが、多く、中国は死刑執行が年2500~3000件。
一方、インドはこの10年で1~2件くらい。
フイリピンに触れたくだりが面白かった。
今の大統領は特異だが、中国に勝った国際調停を利用したのだから、国際条約(死刑廃止)を守らないとは思わない、という。「なるほど」である。

次いで、死刑のポイントを論ずる。
抑止論はもはや議論にならない。
そして代替論。
「仮釈放のない終身刑」
一見妥当なような代替論だが、更生の余地のない制度は、人間の尊厳に対する否定だという。現にヨーロッパ人権裁判所は、国際人権条約に違反すると指摘したという。
とはいえ、シャパス氏は「死刑廃止の為に妥協することもありうる」と、日弁連の方針を支持した。

最後に、氏は、かつて死刑問題について、南アフリカの裁判官、ロシアの法律家とともに3人で死刑についてパネルディスカッションをしたことがあったという。
まず氏が廃止説を述べる。
そうすると残る2人のパネリストは、なんと平和な国からきた平和な人物か、というような眼で見て、アフリカの裁判官は「我々の国では死刑廃止は無理。凶悪事件が多い。そして国民は死刑制度を愛している」とのべたという。
さらにロシアのパネリストは「南アフリカはまだ甘い。我が国の犯罪率はもっと高い。また我々の国民も死刑制度を愛している」と述べた、という。

しかし実は、その発言の翌年、南アフリカは死刑を廃止し、さらにその翌年、ロシアも死刑を廃止したという。

シャパス氏は言う。
「(死刑廃止は)思っているよりも早く進む!」



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by kazuo_okawa | 2016-10-07 12:50 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)