天皇の政治利用を許すまい!
2016年 07月 16日
< 政府関係者「天皇陛下の生前退位は無理」>との見出しとともに、日本テレビ系(NNN)のニュースが流れている。
引用すると「天皇陛下が、生前に天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を持たれていることが明らかになった件で、政府関係者は14日夜、憲法上の問題から「天皇陛下の生前退位は無理だ」と述べた。」という。
この「政府関係者」とは誰なのか、極めてニュースソースの怪しい記事であるが、ニュースによる限り、この「政府関係者」は、天皇の国政への関与を禁じた憲法第4条や、摂政を置くことを定めた憲法第5条との整合性を問題視しているらしい。
象徴天皇の役割を全うするための「生前退位」なのであるから、憲法の精神にかなっており、単にその意向を示すことは憲法4条に反しないだろう。
また天皇に「支障」があるときの「摂政」規定があることは、「生前退位」を禁止していることにもならない。
民間人なら、引退を訴える「82歳の老人」に、なおも仕事を押し付けるなどということは到底考えられない。
おそらく多くの国民は「生前退位」に賛成だろう。
だからこそ生前退位のためには「憲法改正が必要だ」と言わんばかりの指摘は、この際に何が何でも「憲法改正」したい「政府関係者」の天皇の政治利用と勘ぐられても仕方あるまい。
昨年、集団的自衛権を認める戦争法を成立させたことや、同じく昨年秋臨時国会を開かなかったことは明白な憲法違反である。
一方でこのように明白な憲法違反を押し進めながら、他方で憲法違反でもなんでもないものをあたかも憲法に抵触するかのように言う。
これほどのご都合主義はないだろう。
政府関係者が目論む天皇の「政治利用」は決して許してはならない。
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