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by kazuo_okawa

山中伸弥教授の講演を聞く!!

12月17日夜、大阪弁護士会館で開かれた山中教授の講演を聞きに行く。
テーマは法律と関係のない「iPS細胞が拓く新しい医学」。
しかしそこに2階会場を埋め尽くした440名もの弁護士が集まった。
同教授は、改めて言うまでもないだろう、2012年のノーベル生理学・医学賞受賞であり、現京都大学iPS細胞研究所長である。

さすがに超一流の学者である。
存分にユーモアを交え、聞き手のレベルを考えて(この場合、弁護士は医学的には全くド素人とという意味である)平易に、しかしそれでいてiPS細胞の意義を要領よく述べられる。
全く見事としか言いようがない。

山中教授は非常に多忙で、この日も東京から大阪までこの講演のために来られたのであり、明日もまた東京に行かれるという。
師走と言うが、私は年中『走り回っている』とまず笑わせる。
(山中教授はマラソンランナーとして知られている)
更に「今日は1時間半に渡って私のマラソンの話をします」と笑いの追い打ちをかける。
落語家も顔負けの見事な『つかみ』である。

しかも話が突然飛ぶ、と言うことがない。
マラソン(スポーツ)の話から山中教授は若い頃、柔道、ラグビーをしていたことを話し、そして骨折の経験から整形外科に馴染み、京大医学部入学後自然に整形外科の道に進む話とつながる。
そしてそこで見た脊髄損傷など治らない患者への直面と、一方、肝炎で亡くなった父のエピソードは胸を打つ。
医者になった事を喜んでくれた父を救えなかったことから、どうしたら直せるのかと思い、
そこで山中教授は、基礎医学へ転身する。

アメリカの大学に行き、そこで4年間学ぶが、山中教授は、二つのことに出会う。
一つは山中教授のモットーともなる恩師の教え。
VW。
フォルクスワーゲンとからめたギャグも飛ばし聞き手を退屈させない話術にも関心させられるのだが、ここでいうVWとは,Vision&Hard Workを意味する。
Visionが重要なのである。
日本人はHWは得意だが,VなきHWでは駄目であるという。

そしてもう一つは、「細胞」である。
これが山中教授の将来を決定づける。

帰国後、山中教授はPAD(山中教授が名付けた病名。アメリカ帰国後うつ病)になり落ち込んで、辞める一歩手前まで来たが、そこで立ち直る2つの出来事に出会う。
一つは,J・トムスン博士のES細胞における画期的な実験成功、もう一つは、奈良先端大学に助教授として赴任したことと言う。
ここから先の学生の採用の話など面白いのであるが、なんと言っても、講演の中核、iPS細胞の意義を,ES細胞の意義と限界(つまりそれを乗り越えるのが課題)と合わせて説明されるのが実にわかりやすい。
(これは無論、聞き手のレベルに合わせての「わかりやすさ」で有り、何故、ヒト細胞からiPS細胞が生まれるのか、など原理的な機序が分かるという話ではないし教授もそんな話はしない)
そしてiPS細胞の応用が今、どこまで来ているかを、例えば、目の網膜の病気、或いはパーキンソン病などと順次説明される。
まさしく多くの患者を救えるのである。
これは本講演のクライマックスである。

iPS細胞の研究と応用の価値を山中教授が説明したあとで、そして「そうそう、始めに、走る話をすると言っていました。何故走るのか」と、冒頭の話とリンクさせる。
実はアメリカと比較して日本は、大学などへの個人、民間の寄付は少ない。
山中教授が走るのは、走ることによって,iPSの為の基金の必要性をアピールするためという。

これで忙しい中を大阪弁護士会に来られたのもその理由が分かる。
山中教授は、是非基金への協力をと求められた。
無論、大いに賛同である。

知的で、ユーモア溢れ、どのような聞き手でも引きつけ、かつiPS細胞の重要性を知らしめるその講演は、本当に見事につきる。
それは、今、世界最先端にいるというiPS細胞の応用を更に進めるために、山中教授が研究・応用を進めながら、自らその広報役も買っているのである。

これには頭が下がるというか、何というか、凄いとしか言いようがない。

基金へ寄付するための資料番号はスタッフが考えた次の番号に問い合わせてほしいという。

フリーダイヤル0120-80-8748。

この番号は「走れ、ヤマナカシンヤ」と覚えたらいいという、

講演の『落ち』までも、全くもってあまりも見事すぎる。

是非皆さんも基金へ寄付を!

【追記】
その後、私も寄付をした。

【更に追記】
何と、その後、山中先生直筆サイン入りの感謝状が贈られてきた。
京都大学iPS細胞研究所iPS細胞研究基金事務局と
記されたものものしい封筒で送られ、何かいな、と思ったら
領収書などと共に贈られたのである。
忙しいであろうに、頭が下がります。
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by kazuo_okawa | 2015-12-18 22:42 | 出来事いろいろ | Trackback | Comments(0)