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by kazuo_okawa

「その女アレックス」に見る警察取調の制限時間

ミステリについては、色々な出版社が、毎年年末にその一年に発行されたミステリの作品ランキングを発表している。
週刊文春が毎年行う「ミステリーベスト10」は比較的有名だろうがその文春ベスト10で、2014年ランキング一位になったのみならず、他社のベストテンでも軒並み一位になり、史上初の6冠王になったという2014年の最高傑作が「その女アレックス」である。

その話題作「その女アレックス」を読む。
6冠王となっただけあって確かに面白い作品である。
とはいえこの種の作品の性格上、これから読もうとする読者の為に、何も語らないのが一番であろう。
以下、ミステリとしての内容には触れない。

本稿で触れたいのは、「その女アレックス」の中に出てくるフランスの警察の取調時間である。
本書は、昨年の話題作ゆえ、普段、ミステリを読まない人も数多く手にしたに違いない。
そして本書を読み進み、警察の取調時間(何と原則24時間)に驚かれたのではないだろうか。
引用する。

<警察留置は時間との闘いにほかならない。猶予は二十四時間しかない>
(文春文庫「その女アレックス」ピエール・ルメートル訳橘明美)

何で、警察の取調が24時間しかないの?

警察の下で拘束しての取調は制限する。
世界的にはこれが当たり前である。
おそらくせいぜい1~2日というところであろう。
実は日本も逮捕による警察留置場での拘束は最大72時間である。
ところが日本の場合、世界に類を見ない「代用監獄」というインチキ抜け穴制度がある。
本来逮捕の後の、裁判所の行う勾留になれば(警察留置場でなく)拘置所で拘束されるものが、これを例外としてそのまま警察留置場で「代用」できるということになっており、しかもその「例外」が実際は原則化しているのである。
世界に恥ずかしいダイヨーカンゴク制度は廃止されなければならないのに未だ無くならず
冤罪の温床となっている。

「その女アレックス」の同じような場面で、日本の警察ならこう言うだろう。
<猶予は23日間。たっぷりある>
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by kazuo_okawa | 2015-06-23 11:39 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)