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by kazuo_okawa

岩本裕「世論調査とは何だろうか」を読む

私がブログで繰り返し批判しているのが「選挙制度」と「世論調査」であるが、このほど表題の「世論調査とは何だろうか」(岩本裕・岩波新書)が発売された。
著者は,NHK職員として、長く世論調査を報道する側にあった人である。

世論調査は、社会に対する影響の大きいものであるが、しかし現行の世論調査は必ずしも正しいものでない。
読売や産経の世論調査を見れば、あたかも安倍首相の政策を後押しするかのようである。

本書は、世論調査についてわかりやすく解説した書物であるが、同時に世論調査の問題点も指摘している。

ランダムにサンプリングするRDD調査は固定電話対象なので、一般に固定電話を持たない若者をとらえきれない。
選択肢を選ぶ質問では、中間選択肢を選びがちである(従ってどのような選択肢を作るかで答えを左右する)。
質問の言い回しで回答が変わる。
質問の順番で回答が変わる。
そして、調査主体のバイアス(例えば、調査主体が読売新聞であれば、読売にシンパシーを持っているものが答えがちになる)。
など的確な指摘がなされている。

質問の言い回し・順番を巧みに用いて「世論操作」する例が実に面白い。
それが次の例である。

消費税引き上げに賛成かどうかを聞くときに、いきなりそう聞くのではなくて、まず
「日本の借金は1000兆円を超えました。あなたは日本の財政についてどう思いますか?」と聞く。
この後、消費税引き上げに賛成かどうかを聞いただけでも、賛成の意見が増えるが、もう一問重ねる。
「政府は消費税の使い道について、福祉に限定すると説明しています。これについて、あなたは賛成ですか、反対ですか」
これで操作は万全、7割が消費税増税に賛成となるだろうという。

本書では、これは良くない例としてあげられているのですが、しかしねえ、「これまでの手法じゃないか」と、つっ込みたくなりますが…。

というわけで、世論調査に騙されないためにも、本書はお薦めです。

もっとも、著者の岩本さんはNHK内部の人だから、NHKの報道の仕方に、もっと頑張ってよ、とも言いたいのですが…。
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by kazuo_okawa | 2015-06-11 01:44 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)