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by kazuo_okawa

大阪地裁・あいりん職安事件判決の意義

大阪地裁の4月16日の判決について、
昨日のブログで、「違法」であるのに、「過失」を認めず、結果的に被告を救済した判決の「不思議さ」と皮肉った。
その論理を「アクロバット」とも皮肉ったが、判決をじっくりと読んでみれば、その「アクロバット」はよく考えられて見事ともいえる。

何故なら、「合法」と主張する被告の主張はことごとく否定したわけである。

それでいながら、結論で、職員に「過失なし」としたのは、<今回だけは許したる。しかし、こんな訴訟がおこらんようにちゃんとせえよ>というメッセージにも見える。
しかも、結果として、「被告勝訴」であるから、被告から控訴することは出来ない。
つまり、原告が控訴しなければ、「違法」と認定した判決は確定するのである。

考えてみれば、約40年、あいりん職安行政の違法な状態は野放しであった。
それを考えれば、あいりん職安に対して、理由中とはいえ「違法」と断罪したことの意義は極めて大きい。

この裁判を支援してきた運動団体は、早速、下記の通りの声明を発表した。
違法と断罪されたあいりん職安が対応を迫られることは間違いないだろう。

                記

4月16日、大阪地方裁判所の田中健治裁判長は、あいりん職安が仕事の紹介業務を行わない3つの理由(①釜ヶ崎の日雇労働者は行政機関を忌避する傾向が強い②短時間に大量の求人、求職を受け付ける施設の整備ができない③相対方式の職業紹介はできない)についてことごとく批判し、「あいりん職安(国)が日雇労働に係る職業紹介を行わないことは違法である」と判断しました。
あいりん職安はこの判決を真摯に受け止め、早急に釜ヶ崎の労働者に仕事の紹介業務を行う準備にかかれ。
     2015年4月17日
釜ヶ崎地域合同労働組合・釜ヶ崎炊き出しの会
いながきひろし事務所
大阪市西成区萩之茶屋2‐5‐23
 釜ヶ崎解放会館 
電話(6631)7460

【5月6日追記】
週刊金曜日5月1日・8日合併号にジャーナリストの佐藤万作子さんがこの判決の記事を書いて頂いてます。
私のコメントも掲載して頂いていますので、是非お読みください。




by kazuo_okawa | 2015-04-17 19:47 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)