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by kazuo_okawa

角不成!コンピュータ、衝撃の反則負け!

将棋コンピュータ・ソフトと棋士が戦う将棋電王戦FINAL五番勝負の第二局が衝撃の結末となった。
第二局、永瀬拓矢六段対コンピュータ・ソフト「Selene」の対決は、後手番永瀬が有利に進め、自己の角をSeleneの陣に進めたとき、成れる角をわざと成らずに不成で王手とした。

将棋を知っている人なら言わずもがなであるが、駒は敵陣で「成る」と性能がアップする。従って、飛車、角、歩の駒で成れるのに成らない(性能をアップさせない)事はまず考えられない。
誰が考えたって、性能アップする方が得だからである。

ところが、永瀬はわざと成らなかった。
対戦相手が人間(棋士)なら何ともない場面であるが、コンピュータは違った!
何と、コンピュータはこの角不成の王手を認識出来ず放置して(別の手を指して)、その結果「反則負け」となったのである。

う~ん。
何という結末か!

真相はSeleneには、実戦で出てこない「角不成」を認識させるように作られていなかったからである。
これはいかにもコンピュータらしい負け方である。

第一局は終局状態で、コンピュータが無駄な王手を繰り返す。
第二局は人間(棋士)なら何ともない場面を、単に認識するように作られていないからという単純な理由で「反則負け」となる。

去年の電王戦は棋士側が連敗し、悲壮感ただよう緊迫した状態であったが(だからこそ、第三局豊島七段の勝利は感動的だったのだが)今回は棋士側連勝の上、コンピュータが、コンピュータらしいおろかしい事をするので、何か俄然リラックスして観戦出来る。

これで、人間(棋士)側の勝ち越しは間違いないだろう。

ところで、先に、「実戦で出てこない『角不成』」と書いた。
作為的に作られた詰将棋では「打ち歩詰」という「反則」を防ぐために、わざと「不成り」にするトリックがあるが、これは意図的にそういう「パズル」を作るからこそ出来るのであり、実際の実戦ではまずない。
それゆえ、Seleneが「角不成り」を認識するように設定されていなくとも何ら不思議でない。

ところが、400年の歴史を持つ将棋史の中で、実戦で「角不成り」を実現した棋士がいる。
第十七世名人谷川浩司(現会長)である。
第24期王位戦リーグ戦において、大山十五世名人相手に、終盤「即詰み」にするのであるが途中「43角不成り」という神がかり的な妙手を放つのである。
相手を詰ませるときには詰ますという美学、そしてそれを実現する深い読みを持った天才谷川浩司だからこそなしえた奇跡である。

Seleneの反則負けに、天才谷川浩司の人間の「芸術」を思い出す。

【追記】
ハッシーの「二歩」を見て、こういう反則負けは極めて人間らしく、コンピュータは決してこのような反則負けはしない、とブログに書いた(3月12日ブログ)。
しかし、別の「反則負け」をコンピュータがしたわけである。
同じ「反則負け」でも、その違いが興味深い。
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by kazuo_okawa | 2015-03-21 22:43 | 将棋 | Trackback | Comments(0)