私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa

奇襲戦法のミステリアスな醍醐味

飯塚祐紀七段の「奇襲振り飛車戦法」(マイナビ)が新発売された。
早速購入しましたが、これがなかなか面白い。
私自身、将棋の実戦から離れ、昨今は専ら観戦派なのであるが、奇襲戦法本が興味深いのは、一にも二にも、その「意外性」にある。

奇襲戦法にハマってしまえばあっという間に撃沈する。
この「落とし穴」にハマるというか、ハメるというか、その意外性が良い。

まあ、なんというか、こういう意表をつくのがそもそも好きなんですね。
だから、奇襲戦法!

飯塚七段の著を読んで、昔、この種の本を買い求めたことを懐かしく思い出しました。

何と言っても、この分野で、革命的なのは、1974年(何と約40年前!)に故米長永世棋聖が発行した新著2冊「角頭歩戦法」「新鬼殺し戦法」(山海童)であろう。

超一流棋士である米長九段(当時)の著が、「矢倉」や「振り飛車」といった正攻法の指南書ではなくて奇襲戦法であるところが驚かされる。
古くからある「鬼殺し」はともかく、「角頭歩戦法」には実に驚いたものである。
米長のこの2冊は、後に、将棋界において数々のアイデアを提供していく米長の溢れる才気を予感させる画期的な試みである。
とはいえ「将棋奇襲1,2」の2巻として発表されたこの2冊は、奇襲戦法でありながら、内容は高度で体系だっている。

遅れて2年後、「終盤の魔術師」との異名をとった森雞二八段が「はめ手入門」(ベストセラーズ)を発行する。
当時絶好調の人気棋士であり、将棋史に残る剃髪で臨む名人戦の2年前である。
内容は、戦法のみならず、文字通りの「はめ手」の数々の紹介であるが、手筋も含めたしっかりした実戦書である。

さて米長、森とくれば、忘れてならないのは「東海の鬼」花村元司九段である。
森に遅れて3年後の1979年花村が発行したのが「ひっかけ将棋入門」である。
まあ、これは、文字通りの「反則」技も書かれており、読み物として読む分には非常に面白いが、まああまり実戦にはどうかと思う箇所もある。

とまあ、1970年代にあれこれ色々と出版された奇襲戦法本であるが、それらを集大成したのが1989年発行の「奇襲大全」(湯川博士・週刊将棋)である。
実に色々な奇襲戦法を網羅している。
コラムも含めて大変面白い。

他に「神戸発珍戦法で行こう」(島本亮)や、奇襲戦法ではないが、将棋世界で紹介された「痛快!7七飛戦法」(村田顕弘五段)、「初手の革命、7八飛戦法」(角倉啓太四段)も面白い。

さて奇襲戦法が何故面白いのか。

「初手3六歩戦法」で驚かせた林葉直子は「勝つのが目的でなく、驚かすのに重点をおいていた」とその自戦記で書いているように(「将棋世界」1991年12月号)、本格ミステリやマジックと共通の「意外性」ゆえに面白い。

意表をつく戦法、「意外性」好きの方には是非お薦めしたい。
[PR]
トラックバックURL : http://okawakazuo.exblog.jp/tb/22761571
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by kazuo_okawa | 2015-01-27 23:35 | 将棋 | Trackback | Comments(0)