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by kazuo_okawa

私の好きなミステリアスな詰将棋

アマチュア高段者の先輩弁護士と将棋談義をしているときに、お薦め詰将棋集の話になった。
私は意外性あるトリッキーな作品が好きなので、森信雄七段の作品集をお薦めしたのだが、
話していて自分の好みの「偏り」に気づいた。

将棋上達法の一つとして、詰将棋を解くことは広く奨められている。
昨年、豊島将之七段にインタビューさせて頂いたときも
豊島七段は最初は詰将棋を解くのがよいと、奨められた。
書店の将棋本コーナーに行けばその種の詰将棋本は多い。

しかし私の場合は、将棋上達のために詰将棋集を解くというよりも
本格ミステリやマジックへの興味と同じく「意外性」を求めた言わばパズル嗜好に近い。

従って、棋力向上に役立つような「普通」の詰将棋本はほとんど持ってない。

そこで私のお薦め本である。

なんと言っても森信雄七段である。
森七段は、故村山聖八段や糸谷哲朗新竜王の師匠であり名伯楽として有名であるが、
詰将棋作家としても著名で、短手数で難しい作品をよく発表されている。
代表作が「あっと驚く三手詰」「なめたらあかん三手五手」(共に講談社)で、いずれも簡単に解けそうで解けないという大変面白い作品集である。
「スーパートリック」(日本将棋連盟)は詰将棋ではなくて「次の一手」問題であるが、これも意表を突いた問題ばかり。

私はこういう「意外性」が本当に好みなのである。

他に「逃れ将棋」は、「逆詰将棋」で、「詰め」を逃れる一手を見つけるという不思議な問題集。
受け将棋派の方には面白いし、そうでなくても気分転換に面白い。

森七段以外に面白いのは、「カンキの双玉詰将棋傑作選」
関西の「お笑い棋士」であるが、この作品集は油断がならない。
双玉ゆえに、相手玉を詰ますはずが、逆にこちらの玉が先に取られるというようなスリルがある。

以下の作品集は、自ら「解く」というよりも「鑑賞系」です。

まずは「詰むや詰まざるやー将棋無双・将棋図巧」
将棋ファンなら知らない人はないだろう。
伊藤宗看・看寿が江戸幕府に献上した歴史上もっとも著名な詰将棋集である。
故米長邦雄永世棋聖がこの詰将棋を解け、と奨めたことは有名であるが、
それはプロならんとする者への話であり、アマチュアは(高段者は格別)
すぐに解をみて盤上並べてひたすら鑑賞するのが正しい。
(それでも難しい)

ついで「古今詰将棋三百人一局集」(詰将棋パラダイス発行)。
大橋宋桂から内藤国雄、二上達也まで古今東西の詰将棋作者三百人の
一人一局代表作を集めたもの。
これも並べて面白い。

そして、内藤国雄「図式百番」と谷川浩司「月下推敲」である。
(繰り返しますが私には解けません。「鑑賞用」として)必携の著であり、並べて後悔することはない。

「月下推敲」には名手若島正氏の名解説も掲載されている。
そこには内藤「図式百番」にも触れており見事としかいいようがない。

私のように「意外性好み」の皆さんにお薦めする次第です。



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by kazuo_okawa | 2015-01-20 23:20 | 将棋 | Trackback | Comments(0)