私の趣味やニュースの感想など好きなことを発信するブログです


by kazuo_okawa
カレンダー

森下特別ルール「対ツツカナ」戦の意外な結末

棋士(人間)が将棋コンピュータソフトと闘う、将棋電王戦は色々な意味で興味深い。

2014年春、コンピュータソフト「ツツカナ」に敗れた森下卓九段が、継ぎ盤(実際に将棋盤を用意して研究する盤)があれば違うと述べたことから、棋士に継ぎ盤利用を認める特別ルールで行うことになった。
対局前のインタビューによれば、森下は7年前から、その特別ルールを考えていたという。
その理由は「人間は間違えてしまう」からである。
しかし、プロ(人間)がミスをしないルールならば、コンピュータソフトよりも、プロ(人間)が強い。
そこで、継ぎ盤の利用を認め、持ち時間を使い切ったあとは、「1手10分」とすることで、プロ(人間)のヒューマンエラーをなくせる。
ならばプロ(人間)が勝つ。
森下はそう考えた。

そして「リベンジマッチ」と大きく前宣伝され、森下対ツツカナ戦が大晦日に実現した。

闘いは午前10時に始まったが、深夜まで闘う熱戦である。
まさか将棋で「年越し」を迎えるとは…。

対局そのものは、森下得意の矢倉戦で面白い。
更に、継ぎ盤というものに感心した。
プロは継ぎ盤をこういう風に使うのか(こういう風に研究するのか)。
2つの盤を置くが、それは、先後逆さまにした盤面(ひふみんアイ)で、その盤に駒を動かせて考える。
この先後逆さまにした盤面というのが新鮮であった。
相手方から見た場面を作っているのであるが、しかし、その2つは全く同じ状況ではない。
いずれも、実際の場面より少し先行した、つまり変化した場面を想定して考える。

プロはこうするものかと感心すると同時に、森下九段が、何を考えているかがわかる。
森下ルールはその意味で大変良い企画である。

闘いそのものは中盤まで拮抗するという文字通りの熱戦である。

ところが思わぬ形で結末を迎えた。

森下は、慎重に時間を使う(何せ、1手10分である)ことから、やたら時間がかかる。
深夜未明、対局は「差し掛け」となった。つまり途中終了である。
形勢は森下優位。

ならば何故終了か。
日本将棋連盟片上理事の説明が意表をつく。
森下九段の体力もさることながら
この対局を企画し、設営し、運営しているのはスタッフ(人間)である。
そのスタッフの体力も持たない!!

誰も予想し得なかった意外な結末である。

加えて、今回の企画のテーマ。
「ミスさえしなければ人間が勝つ」という森下説に対し、
「そもそも、ミスをすることも含めて闘うのが人間の闘いではないのか」という逆のテーゼが突きつけられる。
ここでもまた「人間とは何なのか」へと続く謎である。

結末の意外性とともに突きつけられた謎が大変面白い。



.
[PR]
トラックバックURL : http://okawakazuo.exblog.jp/tb/22693505
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by kazuo_okawa | 2015-01-01 07:36 | 将棋 | Trackback | Comments(0)