パズル天国・名人河田智とONLY・ONE岩波邦明
2014年 11月 19日
3点とも同種のパズルであるため3点の内、難易度の低い「ダ・ヴィンチの鍵」を買う。
帰宅時に電車の中で解き始めるとそれなりに面白い。
ペンシルを使わずに頭の中で次々と解けるのが心地よい。
とはいえ、何となく、こういうパズルはこれまでにも解いたような「デジャブ感」を生じさせる。
無論、ひょっとすればそれらも岩波氏のアイデアなのかも知れないが。
そこで思い出したのが河田氏である。
河田智氏は、私の好きなパズル作家の一人である。
彼が、デイリースポーツに連載している「パズル天国」というエッセイは大変面白い。
パズルを作る上でのプロ精神(解き手を喜ばせる作品)が伺え、いつも感心している。
難しくもなく、容易でもなく、しかも遊び心に溢れれ、解き手に爽快感を与えるパズルを目指している河田氏の姿勢に全面的に共感する。
無論、パズルそのものも掲載されているのだが、私自身は(エッセイは欠かさず読むが)、パズルを解くことは少ない。
解くのはナンバープレイズ(数独)くらいであるが、たまたま(我が身のアクシデントで)時間が出来て(作って)、久々にナンプレ(数独)以外のパズルにも挑戦する。
11月12日付けデイリーのナンクロは面白かった。
ナンクロとは、クロスワードパズルのように、言葉を埋めていくパズルであるが、埋める白地の部分には全て数字が予め書かれており、その数字の意味は同じ数字は同じ文字であるというルールになっている。
そしてヒントとして、1は「ク」、2は「ツ」ということだけが、明らかにされている。
盤上の、1と記載されているところには「ク」を、同じく2には「ツ」を書き入れていく。
そして、不明の言葉を推理していくというパズルである。
例えば、4文字で、「DツツD」、とあればこれは「キツツキ」である。
頭とお尻が同じ文字で、真ん中に、ツがつつくのは「キツツキ」しかない。
これは、ナンクロの定跡の一つである。
(無論、専門用語にはあるかも知れないが、パズルでは、一般用語に限るのがルールである)
さて、「ク」と「ツ」を埋めていくと、「?ク?ツク」という5文字が目を引いた。
皆さん、これで、どういう日本語を思い浮かべますか。
ここで、私が「ピクニック」と思いこんだのが、間違いだった。
それを前提に、解き進めても、すぐに行き詰まる。
よく考えれば「ピ」など、他に使えようが無い。
そこでよく見れば、先の5文字の3つ目の縦の列は「AクAツ」となっている。
う~ん。
これは定跡の一つである。
4文字言葉で、一つ目と三つ目が同じ言葉として、「ハクハツ」(白髪)が浮かぶ。
とすると、先の5文字は「Bクハツク」となる。
皆さん、思い浮かびかますか。
残念ながら、ここまできても、私には全く思い浮かばない。
しかし、ここを解くのが、このパズルの鍵であることはわかる。
かくて(私は、嫌いな)「しらみつぶし法」を取ることにした。
パズルファンにもスタイルがある。
エレガント派としらみつぶし派である。
私は言うまでもなく、エレガント派である。
しらみつぶしに当たっていくなど、およそ、センスに合わないのであるが、思いつかない以上仕方がない。
かくて「しらみつぶし」を始める。
「Bクハツク」であるから、アイウエオ順に、「アクハツク」「イクハツク」…、としらみつぶしに埋めていく、
そうすると、な、な、なんと、…。
「シクハツク」(四苦八苦!!!)
河田名人の、掌に乗せられていたことと、その「遊び心」を思い知る。