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by kazuo_okawa
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棋士・糸谷哲郎六段の哲学と思想

竜王戦挑戦者まであと一歩とせまった関西若手実力者棋士糸谷六段は、
大学院で哲学を学ぶという異色のキャラクターである。

その糸谷六段の著作が
「現代将棋の思想~一手損角換わり編~」である。
帯文句がいい。
「一手損角換わりとは何か?現代将棋をめぐる知の冒険」である。

ところが関西将棋界会館での大盤解説会などに参加すると
解説の若手プロ棋士が、この糸谷六段の著作を表して
「結局何が書いているのか分からない」
「難しい本です」などと笑いを誘っている。

まあ、関西では、笑いを取るというのが、いわば「お約束」であるから
解説者もどこまで、本気かは分からない。
或いは、糸谷六段は仲間内ではいわゆる「いじられキャラ」なのか。

しかし、同書は、はっきり言ってかなり素晴らしい本である。

一つは、従来の定跡本のような、棋譜の解説よりも、「思想」に重点を置いていることが凄い。
つまり、従来の将棋本に比べて、盤面図と棋譜よりも、考え方(従って活字が続く部分)が多い。
私には、ここが面白い。

考えてみれば、数学では「数式を使わない数学入門」というのは、今日では普通にある、定番の入門書スタイルである。
同じように、将棋実戦書も「棋譜を使わない将棋入門」という実戦書が出来て不思議でない。
私はかねてからそのように思っていた。

つまり、棋譜の部分を出来る限り少なくし、考え方を中心にした実戦書である。
私はそういう著作があればいいと思っていたが、糸谷六段の著はその路線に近い。
私は、むしろ、糸谷六段にその路線をより進めてほしいと思っている。

同書冒頭は、戦型は最初の4手で決まる、として実に戦型のチャート図が掲載されている。
プロなら当然分かっていてもアマチュアには便利な図であり、その後の思想などもアマチュアには分かりやすい。

9月2日、糸谷六段は竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第2局で、羽生名人に敗れ1勝1敗となった。

糸谷六段には是非頑張ってほしい。
実戦書も。
勝利も。


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by kazuo_okawa | 2014-09-03 01:30 | 将棋 | Trackback | Comments(0)