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by kazuo_okawa

新々靖国訴訟(安倍靖国訴訟)の第一回口頭弁論にみる安倍首相代理人の答弁

首相の靖国神社公式参拝の違憲性を問う訴訟が、大阪地裁で始まった。
7月28日が、その第一回の口頭弁論である。
中曽根靖国訴訟、小泉靖国訴訟に続く訴訟で(それぞれの時期に全国で幾つも訴訟が起こされている)「新々靖国訴訟」である。

争点は単純である。
現役首相の、靖国神社への「参拝」が憲法に違反しないのかどうかである。

ところが我が国では、政府・公務員の行う違憲行為を直接正す訴訟類型はない。
(つまり裁判は出来ない。これはこれで一つの問題だが、本稿の目的と離れるのでふれない)そこで、国家賠償法に基づく訴訟をする。
つまりこれは、公務員の行為によって「損害」が生じたから、その損害を賠償せよ、という裁判である。

これまでの靖国訴訟は全てこの形式をとってきた。そして多くは、原告に「損害」がないとして、憲法判断せずにその訴えを棄却してきた。
しかし、そんな中でも勇気ある裁判官は「違憲」判決を行った。
(福岡地裁と大阪高裁の2つである)
最高裁は、「損害」がないとして、結果は棄却したが、そのときの滝井繁男補足意見がいい。これについては私は既に述べた。

さて、注目の28日の口頭弁論である。
傍聴券を求める人たちは100人以上。どうやら、原告派、被告派と互いに集まったようである。

そして裁判。まず原告側が口頭で陳述する。
(普通の裁判では、「訴状を陳述します」というだけで、実際に、訴状を読み上げることはしない。ところが大きな事件では、実際に、口頭でポイントを要約して陳述することがある)
次いで被告側も、時間は短いものの要点を陳述する。
まあ、傍聴席が満員ですものね。
国、靖国神社は、基本は、すでに「最高裁で決着ずみ」との反論である。
これはこれでおかしい。
最高裁判決も変わりうることは過去の違憲判決を見れば分かる(かつて合憲だったものが時代を経て、違憲判決になることがある)。

まあ、それはさておき目を引いたのは、安倍首相代理人である。
どう言うのか、関心があるでしょう。

現に、原告側、そして被告国、被告靖国神社と、時間の長短は別として全て立ち上がって、口頭で主張の中身を要約して陳述しているのである。
では、安倍首相代理人はどうか。
実は彼だけが口頭陳述はしなかったのである。

傍聴席には被告側応援者もいるのに、である。

どうですか、皆さん。
安倍首相は、集団的自衛権を巡る議論で自衛隊員が命を失う危険性については、全く口を閉ざしたように、説明責任を果たさない。

何やらそれをも思い起こしてしまう、安倍首相代理人の態度である。

傍聴席に、安倍首相ファンがいたかどうかは分からないが、被告安倍首相が、正面切って、靖国神社参拝の合憲性を主張したのではなく、「私的参拝」だと逃げたことは分かっているのだろうか。
by kazuo_okawa | 2014-07-29 22:20 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)