羽生善治名人インタビューに見る「経験」の意義
2014年 07月 16日
名人戦初となる3度目の復位をした羽生名人のインタビューが
掲載されている。
そこで羽生名人は「最近は経験をどう生かすかを考えることが多くなった」と
述べている。
文藝春秋8月号でも羽生はインタビューに答えているが
そこでも「経験」について述べている。
「経験とともに覚えることにこだわらなくていいと思えるようになる」
「経験を積んで自分で向上したと思うのは、見切るということに関してでしょう」
「(もともとの大前提を全てひっくり返すような指し方が出てきたときは)自分の経験則はむしろじゃまになってしまう」
記憶力と練習量は、若手実力者の方が勝っているだろう。
だからこそ、羽生は、若手よりも優位な「経験」について
真剣に考えているに違いない。
それは単に経験を利用するという意味でなく
じゃまになる経験は切り捨てる、という発想も含めての
「経験の生かし方」である。
しかし、その見極めは難しい。
いや、むしろ、普通は、そんな見極め(経験をどう生かすか)など
考えずに、ただただ、経験に乗っかかっていることが多いのではないだろうか。
これは、私の自戒でもある。
羽生が「経験」について述べるところは色々と考えさせる。