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by kazuo_okawa

豊島将之七段好スタート!

7月13日のNHK杯将棋トーナメントは見ていて大変面白い将棋であった。

後手北浜健介八段が対局前インタビューで振り飛車を宣言し
7六,3四,2六の出だしから、
その通りゴキゲン中飛車となった。
ゴキゲン赤飛車は超急戦となると激しい将棋になるので
観戦将棋派には非常に面白い。

ゴキゲンを受けて立つ豊島七段は一番激しい手を選択し、
自らゴキゲンを選んだ北浜八段も激しい応手を選択し
一気に面白くなった。

解説の始まるのが後手22手目5四銀という場面であり
いかに手番が早く進んだか分かる。

畠山鎮七段の解説がいい。
これは研究が生きる将棋であり、ミスをすれば力を発揮出来ないまま
終わることがあるので、大一番で避けられることもあるが
若手は真理を追究するためにむしろ実戦に挑んでいく、試していく、という。
無論、この若手が、豊島七段を念頭においた言葉であることは間違いない。

さてこの解説の場面である。
今は亡き米長邦雄永世棋聖なら、この解説の始まった場面でおそらく、
次のように言ったであろう。
米長は解説をしていてよく述べた、将棋ファンなら、お馴染みの「名セリフ」である。
「これはもうどちらかが勝ってますね」
「ええ、この場面でですか」
「私には分かりませんよ。しかし、この場面はすでにどちらかが勝ってます」

畠山解説の通り、北浜八段は詰め将棋作家であり、
接近戦(互いの玉が、詰むや詰まざるやの場面になること)が得意である。
しかし、豊島は、避けることなく接近戦に持ち込んだ。
これも素晴らしい。

結局、豊島は、73手で勝利した。

豊島は順位戦も好スタートであり、
「若手ナンバーワン決定戦」とも言われたつい先日の王座戦挑戦者決定準決勝では
中村大地六段も下した。

この勢いで更に活躍してほしい。
大いに楽しみである。
by kazuo_okawa | 2014-07-14 22:46 | 将棋 | Trackback | Comments(0)