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by kazuo_okawa

瀬木比呂志「絶望の裁判所」を読む

現代新書より、裁判官たちの精神の荒廃と堕落を描いた「絶望の裁判所」が発行された。
本書は、発行前から法曹界では注目され、予約も殺到していたと聞く。
去る12日に大阪弁護士会で行われた弁護士任官者激励慰労会の場でも
とある裁判官より「ベストセラー」と紹介されていたように
法曹関係者では知らぬ者はないくらい、話題を呼んでいる。

もっともその評価については、弁護士関係のメーリングでも賛否色々と意見が出ていた。

著者の瀬木比呂志氏は、現在は明治大学法科大学院専任教授であるが、元裁判官であり、
しかも最高裁中枢を知るエリートでもあった。
瀬木氏は本書で、出世や権力ゲームにうつつを抜かす裁判官たちの精神の荒廃と堕落は
もはやとどまることがない、と司法荒廃を指摘している。

私は、予約こそしなかったが、発売前から注目されている本書を
書店に並んだ時期に購入した。

率直に言って、本書の裁判所批判は的確で素晴らしい。
共感を覚えるところも多い。
しかも最高裁判事の素顔や「檻」の中の裁判官の状況などは
私が知らなかったことも指摘され大変興味深い。

もっとも、先に書いたとおり、弁護士の中には賛否種々あり、
法曹人口問題の認識が甘過ぎることや、現在は法科大学院に身を置く立ち位置などから
裁判所批判も結局は自己が安全な位置に移ってからのものでないか
するとまた将来は、法科大学院批判をするのではないかなど
色々な批判的な意見も耳にする。
そういう批判も当たっていないことはないだろう。
しかし、私はそういう大筋を離れた意見に反対である。
本書の意義を大きく見なければならない。

無論、細かい部分では意見の違うところもあろう。
しかし、本書のような、現状・現体制を批判する書物は、貴重であり、
大変勇気のあることであり、細かい点の「異論」をことさら指摘するよりも
大きく、本書の意義を評価すべきと、私は考える。

その意味で、裁判官たちの精神の荒廃と堕落を端的に指摘した本書は
大変素晴らしい。

裁判なるものに詳しくない方は、
本書冒頭の「はしがき-絶望の裁判所
この門をくぐる者は、一切の希望を捨てよ」の
箇所を読むだけでも値打ちがあるだろう。

私は、本書を強く推したい。



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by kazuo_okawa | 2014-03-15 00:12 | 本・書物 | Trackback | Comments(0)