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by kazuo_okawa

フクシマとミナマタ(その2)~御用学者に騙されまい

3月11日放映の報道ステーション(テレビ朝日系)によれが、
福島の子ども達の多くに甲状腺ガンが見つかっているという。

しかし福島県立大学などの専門家などに言わせれば
これは福島原発被爆が原因だ、とは考えられないという。

その理由の一つは、今回の発見率は、一般的な甲状腺ガン発生率よりも遙かに高いが
それは、一般的な甲状腺ガン発生率は「自覚症状」のある者を
甲状腺ガンのある者とするが、今回は住民調査で広く地域一帯を
スクリーニングして検査しているため自覚調査のないものを
甲状腺ガンのある者としてカウントするため、自ずから今回は、
甲状腺ガンのある者が増えるから、という。

もう一つの理由は、甲状腺ガンの増加は
チェルノブイリ事故の検証に基づけば、その発生は4~5年後であるが
今回は3年目で早すぎるというわけである。

前者は言わば統計の問題であり、今回の調査が無自覚者を含む事は事実であろうが
それだけで原発事故の影響は否定し得ない。
もっと統計の根拠を吟味すべきだろう。

また、チェルノブイリの検査については、それが緻密な検査ではなかったことを
同じ報道ステーションでは説明されている。
つまり甲状腺ガンの発生が4~5年後、ということ自体が
必ずしも確たる話ではないのである。

とすれば今回、福島の子ども達の多くに甲状腺ガンが見つかっているという事実には
謙虚に耳を傾けるべきだろう。

そうすれば、因果関係は今のところわかりません、ということはいえるかもしれないが、
「福島原発被爆が原因だとは考えられない」ということは
まともな学者ならば、とうてい言えるまい。

もっとも、福島原発被害直後、「30キロメートルほど離れれば、被曝量は1ミリシーベルト以下であり、心配はない。ヨウ素剤(甲状腺ガン防止剤)も不要」と述べてきた学者には、被爆と甲状腺ガン発生との間に因果関係があれば困るのだろう。

ここでまたしてもミナマタを思い出す。
国策被害という共通項を持つ、フクシマとミナマタ。
ミナマタの全面救済が何故遅れているかは
国、原因加害者チッソの妨害などと共に
御用学者の跋扈が大きかった。

水俣病発症時、当時の御用学者は敢然と、水俣病の原因は「有機水銀ではない」
「チッソではない」などなどと異説を述べて
真相究明を妨害し、チッソを庇ってきた。

御用学者の妨害がなければ、救われた水俣病患者もいよう。
御用学者の果たした責任は極めて大きい。

そして今、フクシマ。
ミナマタの教訓として、御用学者には決して騙されまい、と思う。
by kazuo_okawa | 2014-03-12 23:24 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)