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by kazuo_okawa

大阪駅での顔認証実験の中止を求める(その2)

先のブログで「監視社会を拒否する会」の3月5日声明を紹介して
私自身の見解としても、JR大阪駅ビルの顔認証システム実験は
中止すべきであると書いた。

その根拠としての最高裁判例などをあげて
勝手に映す事自体が人権侵害であると説明したとおりである。

ところがこれに対して
予め「顔認証実験」をすることを予告しているのであるから
「勝手に映しているのではない」という人がいる。

とんでもない勘違いである。

「勝手に映す」とは言うまでもなく
被写体たる人物の「承諾」を得ていないという意味である。
無論、国語的には「勝手に」の意味には色々とあるだろう。
しかし、この顔認証実験問題の文脈では「勝手に」の意味は
「承諾をとらずに」の意味であり、
それ以外の意味で使うのは明らかに「意図的な誤解」としか私には思えない。

無論、予告することによって、「私は実験にされてもいいよ」と
「承諾」する人もいるだろう。
しかし、全てが全てそうではない。
予告されていても、その撮影エリアを通らざるを得ない者にとっては
予告場所を通ったことが当然に「承諾」にはならない。

当たり前の話である。

「殴りますよ」と言われ、足がすくんで、逃げなかったからといって
それだけで殴られることを承諾したことにならないのと同じである。

繰り返すが、撮影すること自体が、人権侵害なのである。
予告すれば「人権侵害」でなくなる、というわけでない。

しかも、判例は、例外として許される場合を
現に犯罪が行われているときの証拠保全など
一定の場合に撮影を許したが、原則的には撮影禁止であることが重要なのである。

今回のような単なる「実験」に勝手に人の顔を撮影してはいけない。

大阪駅での顔認証実験は中止しかない。
by kazuo_okawa | 2014-03-06 23:17 | 情報・プライバシー | Trackback | Comments(0)