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by kazuo_okawa
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本格ミステリファンの出題する試験問題

大阪府立大学経済学部で「労働法」を一年間講義してきた。
本日は、その学年末試験である。

私は講義の出席はとらない。
しかし、毎回、出席している真面目な学生には
試験に合格してほしいと思うのは人情である。

試験問題は、4問中2問選択としているので
普通に勉強していれば、まず合格できる。
それでも、毎回、出席している真面目な学生には、是非とも合格してほしい。
しかし講義の中で「ここは試験に出しますよ」などと露骨なことを言うのでは
出席していない学生にもその情報が広まるので、全く意味がない。
従って、そういうことはしない。
そこで、一工夫する。

つまり、本格ミステリファンとしては、講義の中で、うまく
試験問題の「手がかり」を必ず残すようにしているのである。

例えば、本日の4問のうちの1問目は、
労働組合法上の「労働組合」を説明させる問題であるが
講義では、説明しながら、黒板に
①労働者が主体
②自主性
③目的
④団体性
等と、黒板の左端に書きながら説明していくのである。
私は、黒板に字を書いたり、消したりしながら、講義を進めているのであるが
何故か、不思議なことに、左端に書いた前記の4つだけは、
その日、一日中、講義の最後まで黒板に残っているのである。
しかもそれだけではなく、別の日の講義の時も、
たまたま「労働組合」と言う言葉が出たときに
「ここでいう労働組合とは、労働組合法上のもので、その要件はこの前の講義で説明しましたね」と、またまた、前記①②③④の4つが黒板に書かれる。
そして、不思議なことに、その日もその4つは最後まで黒板に残っているのである。
他の3問もほぼ同じである。

重要な「手がかり」は、まさに目の前に大きく示されていたのである。

しかし、こういうことを単純に繰り返すのでは、勘のいい学生は気づくかもしれない。
そこで、2回目、3回目の時は、たまたま、自然に説明したように
という「ミスディレクション」を張って、黒板にさりげなく書くのである。

「手がかり」と「ミスディレクション」
これこそ本格ミステリの核心であり、醍醐味である。

というわけで、私の講義を真面目に出席して
しかも、黒板のノート取りをきちんとした学生は、今日の試験問題を知って
私の、この「手がかり」にきっと、今頃、驚いてくれているだろう。
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by kazuo_okawa | 2014-01-24 23:08 | 大学あれこれ | Trackback | Comments(0)