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by kazuo_okawa

千日手王子、永瀬が勝つ!

本日の、棋王戦挑戦者決定トーナメント
羽生対永瀬は注目の一局であった。

2013年度の将棋タイトルマッチを振り返ると
残るは、王将戦と棋王戦であり
いずれも渡辺明2冠がタイトルホルダーである。

羽生3冠は早々に王将戦挑戦者を決めており
引き続いて棋王戦にも挑戦者に名乗る出るかどうかが
関心の的であり、気の早い将棋ファンは
羽生5冠王を予測していたものもいるくらいである。

棋王戦の挑戦者は、三浦、永瀬、そして羽生の3人に絞られていたところ
今日の敗北で、羽生の挑戦は無くなった。

それにしても、若武者永瀬が羽生に
本戦も含めて、2連勝をしたことが凄い。

しかも、永瀬は、千日手王子と言われるように
千日手を苦にしないという不思議な感覚の
持ち主である。

千日手とは、互いに膠着した状態になり、同じ場面が
繰り返されるため、引き分けにして、先手と後手を入れ替えて
一から差し直すということである。

想像してみれば分かることであるが
今まで、全力尽くして戦ってきたその「勝負」を
言わば「白紙」に戻して一から戦い始めるというのである。
そのエネルギーが大変なものであることは
言うまでもないであろう。

将棋は、わずかに先手有利とも言われているから
後手番が、先後手入れ替わるメリットをとって
千日手にすることはあるだろう。

しかし、永瀬は、そういうこだわりで千日手に
するのではない。

かつてNHK杯戦で、二度も千日手にしたことは有名である。
つまり、彼は先後手お構いなしに
そのときのベストの選択として、千日手にするのである。

私は、永瀬のこの千日手をみるとき
芸術家を想像するのである。
つまり、作品を書き上げた画家が
どうしても気に入らないから、
書き上げた絵は捨て去り、一から書き直す。
それはまた、とてつもないエネルギーだと思うのであるが
私は、永瀬の千日手に、同じような芸術的感覚を
連想するのである。

永瀬のこの感覚は凄い。
あまりにも凄い。
そして永瀬は研究家でもある。

その研究家で不思議な感覚の永瀬が羽生を倒した。
これほど痛快なことはない。

羽生世代(森内名人ら)を倒す若手が
渡辺以外に出てこないと
将棋界は面白くない。
候補者は幾らもいる。
中村太地、豊島、菅井など…。

永瀬はこのまま突っ走って
是非、挑戦権を獲得してほしい。



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by kazuo_okawa | 2013-12-20 23:55 | 将棋 | Trackback | Comments(0)