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by kazuo_okawa

水俣病訴訟、県の控訴取り下げ

昨日、水俣病の公式発見日(5月1日)にふれ
しばらく裁判は続くであろう、と書いたとたん、
本日、午前5時59分に私の携帯電話が鳴った。
早朝である。

熊本県担当部長からの電話で、
本日、県知事の決断を発表するので
マスコミ報道の前に弁護団にその旨を伝えたい
というものであった。

ではその決断とは何か。

先の最高裁で逆転差し戻ししたFさん訴訟の
控訴を取り下げ、Fさんを水俣病と認定するというものである。

その後、マスコミ各社からの問い合わせが相次ぎ感想を求められた。

私の感想は「知事の英断には敬意を表する。しかし余りにも遅すぎた」

その後もマスコミの問い合わせが殺到するため、
急遽、午後4時半に弁護団として緊急記者会見を行うこととした。

そこで私は先の感想に加え、以下の通り発言した。

「水俣病の歴史は、患者の発生・拡大・隠蔽・切り捨ての歴史でありました。
それは同時に国・県の責任でもあります。
もしも、差し戻し控訴審がこのまま進めば、
私達は当然に、国が隠蔽した佐藤医師を証人申請するため、
そこで再び国の隠蔽工作が明らかになるでしょう。
今回の控訴取り下げは、県の意思であったとしても
隠蔽が再び明らかになる事をおそれた国の意思の意思でもある事が
十分に想像されます。

こういう結論を引き出した先の最高裁判決の意義は極めて大きい。
その影響について、私は理論的には極めて大きいと思うが、
しかし数については少ないと思う。
とはいえ先の2004年最高裁判決のあと
再び訴訟が起こったようにウルトラCで裁判がおこることもありえます。

Fさんの件は終了しても、水俣病の歴史の中で正すべき
課題はまだまだ残っています。
残された課題の克服のために更に全力を挙げて頑張ります」

今の私の正直な気持ちである。
by kazuo_okawa | 2013-05-02 22:13 | 司法・ニュースその他 | Trackback | Comments(0)