電王戦の衝撃
2013年 04月 23日
実に見応えのあるすばらしい企画であった。
とはいえ、当初対戦カードが発表されたとき、結局は最終カード三浦弘行A級八段戦だ
な、と思ったものである。
なぜならプロ側はその実力と先後手の組み合わせからして
第4局までは、プロ側の、勝、負、勝、負、だろうとよんだからである。
(第2局のサトシン先生、第4局の塚田先生、ごめんなさい。)
しかし、第3局は予想に反してプロ側の敗北、
第4局は、持将棋(引き分け)と全く予想外の展開になった。
とりわけ第4局のプロ側は、元タイトルホルダーの塚田九段であり、
その差し手は、コンピューターの弱点と思える入玉戦法を使っている。
盤面自体は途中必敗ながら、粘って逆転引き分け。
団体戦で負けが決まらないよう、最低限でも引き分けを目指したという。
終局後インタビュー時の塚田九段の涙には胸を打つものがあった。
そして第5局。
私は20日帰宅後インターネットで検索し、三浦八段の敗北を知った。
しかもその内容は正攻法で立ち向かい完敗している。
三浦八段は対コンピューター用の特別対策を立てるのではなく
普通に指している。
これはA級八段としての矜恃であろう。
しかしこの敗北は衝撃的である。
無論、羽生3冠、渡辺竜王、森内名人のタイトルホルダーが負けたわけではない。
しかし三浦八段が正攻法で負けるのであれば、早晩
羽生3冠らも負ける日が来るだろう。
それにしてもこの心地悪さが何なのか、分析できない。
そしてそれ自体がもどかしい。
ぜひとも来年、羽生3冠以下トップ3を出してほしい。